「南京事件」について知りたければ、秦郁彦「南京事件」なり笠原十九司「南京事件」なりを読めばいい。しかし「731」については、最新の研究まで網羅した、わかりやすい概説書が存在しない、という状況だったのだが、ようやく、「731」につい… https://t.co/VTO8zard3M
太平洋戦争のロジスティクス 作者: 林譲治出版社/メーカー: 学研プラス発売日: 2015/01/28メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るSF作家・架空戦記作家の林譲治先生が、旧日本軍のロジスティクスについて調べた結果をまとめた本。その問題意識は「はじめに」に書かれている。 まず考えるべきは「兵站補給失敗」の原因を「兵站補給の軽視」とする解釈が妥当かどうかという点だ。確かに兵站補給を軽視すれば、兵站補給の成功は期待できないだろう。 だが兵站補給の失敗を根拠に兵站補給を軽視していたと結論づけられるだろうか。 (No.15) この問題意識をもとに、旧軍の組織・人事・教育などの資料を掘り起こし、具体的にどのような施策がなされていたかを調べている。 もし日本陸海軍が本当に兵站補給を軽視していたらならば、そのような人材育成の組織は存在していないはずなのだ。 この事実を受け
笠原十九司、『海軍の日中戦争 アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』、平凡社、2015年6月 目次などの情報はこちらをご覧ください。 1997年に刊行された『日中全面戦争と海軍―パナイ号事件の真相』の続編ともいうべき笠原十九司さんの新著。本書でもパナイ号事件は第4章で扱われている。 1997年と現在とを比較すれば「海軍善玉史観」を取り巻く環境は多少は変わってきていると思われるが(『海軍反省会』が世に出たのがその変化の一例)、旧日本軍の蛮行が話題になる際にその主体は陸軍であることが多いのは相変わらずのように思われる。もちろん、陸軍の方が組織の規模が大きかったこともあるだろうが。 というわけで、本書のうち私にとって最も興味深かったのは海南島における海軍の「治安掃討戦」が紹介されている第5章だった。ミニ三光作戦と呼ぶことのできそうな作戦が、華北での燼滅作戦開始とそう変わらない時期に行われていたのだ
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