前回のエントリで、2009年度の食中毒死亡者数がゼロであったことをご紹介しました。しかし、本当にゼロだったのでしょうか。例えば、アメリカの食中毒死者数は年間5000人前後いるようです。食習慣や貧困の問題など事情が異なるにしても、あまりにも数字が違いすぎます。これだけ差があると、どちらかの数字が間違いではないかと気になってしまいます。実はこの違いは集計の方法に違いがあるようです。はっきりした集計方法は確認していないのですが、アメリカの集計では推定値を用いるようです。一方で、日本では保健所への報告を元にしているので、医者を受診しなかった場合には患者数にカウントされません。厚生労働省が2007年にまとめた報告によると実際には数十倍の患者数がいるようです。その報告では宮城県内の住民への聞き取り調査や受診率推定などから食中毒の発症者を推定すると、腸炎ビブリオでは統計の30倍、カンピロバクターは120