【台北=吉村剛史】第二次大戦中の日本海軍の特攻艇「震洋」の格納庫跡が、台北市郊外に現存することがわかり、保存の検討が始まった。交通部(国交省に相当)観光局では今夏、関連施設跡地の整備に乗り出したばかり。8月中には震洋特攻隊の記録ビデオも完成する予定で、関係者らは「戦争の記憶を後世に伝えたい」と話している。 確認されたのは、台北市郊外の淡水河に面した道教寺院「関渡宮」敷地内で、崖に掘られた格納庫跡3基分。同寺院管理団体がメディアとしては初めて産経新聞に公開した。 米軍上陸に備えて同地に置かれた第102、105震洋隊基地施設とみられ、1基は開口部から奧までほぼ完全に確認でき、幅4〜5メートル、高さ約3メートル、奥行き18メートル。相互連絡用の細い通路も残っている。 一昨年、台湾・澎湖諸島の西嶼で震洋格納庫跡を確認した台湾監察院が調査を継続して発見、台北市文化局に保存を求めた。 観光局で