日本が1932年に中国東北部に建てた「満州国」で、最高学府として設立された「満州建国大学」(建大)の全体同窓会が8日の開催を最後に幕を閉じる。卒業生の高齢化が理由。日本、中国、朝鮮、モンゴル、白系ロシアの5民族の融和という理想と、日本による実質上の統治という実態。その矛盾を卒業生たちは戦後も背負わされ、シベリア抑留や政府による弾圧などの過酷な日々を生きてきた。 5月12日、東京・新橋のビルの一室に卒業生約10人が集まった。みな80歳以上。藤森孝一・同窓会長(89)は最後の同窓会について「建大の名に恥じぬよう、つつがなく終わらせたい」と語った。 建大は38年、満州国のエリート養成を目的として首都・新京(現在の中国吉林省・長春)に設立。藤森さんは2期生。 学生は各民族が交じった「塾」と呼ばれる二十数人の寮で約6年間、共同生活を送った。発言の自由が保障された夜の「座談会」では、中国人や朝鮮