敗戦翌年の1946年に伊豆大島(東京都大島町)でつくられた「暫定憲法」の原本とその制定過程を示すメモが所在不明になっていることが大島町への取材でわかった。平和主義的な理想や主権在民を記した規定が盛り込まれた文書として注目された。町は「貴重な史料にもかかわらず、管理が不十分だった」として、今後調査する。 この文書は46年1月、連合国軍総司令部(GHQ)の覚書で伊豆諸島が日本から切り離されることになり、島民が「独立」を決意して約1カ月間で作った。平和主義は前文に、主権在民は1条に盛り込んだ。52日後、GHQの指令が修正されたため、施行は幻に終わった。 その後、文書は島の歴史をまとめた書物に2ページ余りの記述があるほかは忘れられた存在になっていたが、97年に町の委嘱を受けた専門員が町立郷土資料館の文献を整理中、暫定憲法の原文とその草案、制定過程を示したメモなど約20枚を発見。町は同年、資料館に原