ずっとくすぶっていた『風と共に去りぬ』の黒人描写が、反黒人差別運動のもりあがりを受けて、映画の配信一時停止にいたった。 過去の作品を現代の価値観で位置づけることを否定するなら、『風と共に去りぬ』という映画そのものが否定されるのでは - 法華狼の日記 『風と共に去りぬ』は自由奔放な女性を主軸にした先進的なドラマだが*1、黒人が奴隷階級におかれている社会をうたがいはしない。 たとえ個々の黒人は善良と描写したり、白人男性へ批判的な観点もあっても、社会の構造そのものを批判できなければ、むしろ社会のありようは強く固定されてしまう。 たしかに敗北した南部への郷愁をかきたてつつも先進的な物語だったし、その女性像は現在も新しさを感じさせるだろう。青木冨貴子氏が著作でくわしく分析している*1。 「風と共に去りぬ」のアメリカ―南部と人種問題 (岩波新書) 作者:青木 冨貴子発売日: 1996/04/22メディ