以前書いたサンドの書評を読み直して、感じたことをだらだらと。 最も幸福な書評の書き方は、自分が読んで感銘を受けた本を紹介するものだろう。あんまり絶賛調だと提灯持ちみたいに受け取られかねないし、少しは批判点あるいは将来への期待を交えると、評者がよりインテリっぽく見えるから、なおよし、みたいな。いわゆる、ホメつつケナし、ケナしつつホメる、というテクニック。さらにこじらせると、インテリっぽく見せるのもイヤだから、あえて直球という手もあるけれど。(我ながら書いていてどうにもイヤラシイ考え方であるが、言い訳するのも子どもっぽい)。 一方で、時には編集部から本を指定して依頼される書評というのがあり、稀ではあるが、ちょっと頭を抱える場合もある。サンドの本はまさにこのパターンでした。 日本に限ったことではないが、キリスト教業界には、イスラエル絶賛の人々と、パレスチナ絶賛の人々がいて、私から見ると両者ともあ