(CNN) 重装備の外国軍隊がウクライナ国境に向かって進軍する。偵察機が上空を飛ぶ。「偽旗」作戦のうわさが飛び交う。 もしあなたがモスクワで国営テレビを見ていたら、兵隊や戦車、鉄条網、狙いを定める狙撃手の映像を見るだろう。だがそれは攻撃の準備を整えたロシア軍ではない。北大西洋条約機構(NATO)の軍だ。 ロシアから見る鏡写しのようなウクライナ情勢にようこそ。同国のメディアが見せる別の風景では、NATO軍は何年も取り組んできた計画を実行しようとしている。ロシアを封じ込め、プーチン大統領を倒し、ロシアのエネルギー資源を乗っ取る計画だ。 モスクワ側のあらゆるニュースやトーク番組で繰り返される見方では、ウクライナは米国という「人形遣い」に操られた失敗国家だ。欧州はワシントンからの命令を聞くペット犬からなる弱く分断された集団だ。恐ろしい脅威である米国でさえ、政治的分断や人種問題で引き裂かれた、弱い分
戦後、米政府は原爆の放射線被害を否定し、名ばかりの調査団を広島へ送って隠ぺいに努めた。そんな大本営発表を全米各紙が鵜呑みにするなか、ひとりの黒人記者だけは科学とファクトで当局の嘘を暴いた。彼の名はチャールズ・ローブ。歴史に埋もれたスクープ記事とその功績を振り返る。 日本への原爆投下と人種の関係 「ローブが原爆投下地を考える」──。1945年10月5日付の「アトランタ・デイリー・ワールド」紙にそんな見出しの記事が載った。広島が焦土と化してから2ヵ月後のことである。 黒人新聞の世界ではローブという名前だけで読者を惹きつけるのに充分だった。 チャールズ・ローブは黒人の従軍記者だった。第二次世界大戦中に彼が書いた記事の数々は全米黒人新聞協会を通じて全米各地の新聞に配信されていた。 ローブが冒頭の記事で伝えたのは、原爆で放出された死の放射線が、いかに広島市民の身体を蝕み、殺したのか、ということだった
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