ナイフを持った殺人鬼がシャワー室に忍び寄る『サイコ』に、逆さで階段を駆け下りる少女がトラウマな『エクソシスト』。ホラー映画は、ときに画面に写しだされるビジュアルより「怖い音楽」に覆い包まれている。 「悪夢の楽器」つくったアナログ・ホラー映画音楽職人 音を消して見るホラー映画は牙の丸い虎のようなものだ。音のない恐怖の世界は、包帯巻いた殺人鬼も急にコミカルにさえ見えてくる。ホラー映画の音と音楽というのは鑑賞者の感情をコントロールするうえで重要なのである。映画の主役といってもいいくらいだ(実際に、逆に音だけ聞いていても怖いのだから)。 首筋を撫ぜられるような、思わず耳に指を突っ込みたくなるような、三半規管がおかしくなりそうなサウンド。そういった狂気と悲壮のギリギリな音を手づくりする物好きな職業が、ホラー映画音楽の作曲家だ。人間離れしたサウンドも、当たり前だが人間の頭のなかで生まれているわけで..
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