「質、量とも過重な労働状態だったのは明らか。だが、マツダは何ら対策を講じなかった」。2007年に自動車メーカー「マツダ」(広島県府中町)の社員だった県内出身の男性(当時25歳)がうつ病になり、自殺したのは長時間労働などが原因として、同社の責任が問われた訴訟で、地裁姫路支部が原告の主張をほぼ全面的に認めた判決が言い渡された28日、中村隆次裁判長は、男性を自殺へと追い込んだ職場環境の問題を次々と指摘した。 男性は当時、入社3年目ながら、ベテラン社員が担当していた業務に配置換えになり、時間外労働が増えた。中村裁判長は取引先とのトラブルを上司に相談した際、「何が言いたいのか分からん」などと叱責(しっせき)されたことについて、精神的負担は相当なものだったと指摘した。 自殺直前の1、2か月間、会社や自宅での残業時間が労災死認定基準の月80時間を超えていたと推認されるとし、「孤軍奮闘し、問題を抱え込まざ