11月11日、当局者に連れられて入廷するビーンズ被告(右)。判決公判でも顔を隠したままだった(ロイター) ドイツ南部ドレスデンの法廷で7月、妊娠中のエジプト人女性、マルワ・シェルビニさん=当時(31)=が殺害された事件で、殺人などの罪に問われたロシア系ドイツ人の男に、同国刑法では最も重い終身刑が言い渡された。判決は、男がドイツでの生活に強烈な不満を抱いていたことが犯行につながったと指摘。事件からは、差別される者がさらに差別を生む悪循環の構図が見えてくる。(大内清)計画性を否定 「被告人は、ドイツでの生活を“くそったれな多文化主義”と嫌悪していた」 「外国人が自分から職を奪っていると考えた」 「排外主義は被告人の人生の中心思想だった」 今月11日に開かれた判決公判。独誌シュピーゲル(電子版)などによると、ビルギット・ビーガント判事は、アレックス・ビーンズ被告(28)が犯行に至るまでの心情に