新型コロナウイルスの感染再拡大により、東京都に緊急事態宣言が発令されている中での五輪開幕である。市民に行動制限を要請しているのに、世界からアスリート、関係者数万人を集めて巨大イベントを開く矛盾は解消できず、納得できる説明もなかった。 ほとんどの会場に観客を入れないのは、せめてものウイルス防護策なのだろう。開幕直前の無観客決定は、万が一有観客で感染が爆発したときに、「だれも責任を取りたくないから、そうなった」と解釈すると分かりやすい。 繰り返される緊急事態への弛緩(しかん)、自粛疲れ、ワクチン接種が進まないいら立ち。質問にまともに答えない政権担当者への憤まんが募る。静岡県熱海市の土石流など相変わらず自然災害にももろい。そんな社会を映す鏡なのか、SNSなどネット上には「悪意のある言葉」がはびこっている。