すっかり夏になりましたが、2022春の立憲デモクラシー講座最終回をお届けします。参議院選挙の結果は、国民が現状を肯定し安定を求めていることを示したと言えるのでしょう。それは、戦後、現状への不満と変革への期待をエネルギーとしてきた社会が、現状の肯定と変化への怖れに覆われるようになり、「戦後革新」のおわりがやってきたことを意味するのかもしれません。そのような状況にあって、この先に見えてくる「夜明け」はどのようなものであり、どのように招き寄せることができるのか、答えはまだ霧の中です。デモクラシーの旗を振り続けてきた山口二郎さんの自問に、一世代若い河野有理(法政大学教授)が、温かくしかし厳しく突っ込みながら、進みます。 収録は、2022年7月22日
オープンレターの差出人のうち12名が、私を被告とした債務不存在確認訴訟を提起したことについては、既にご報告した通りです。 この度、上記12名に対し、100万円(1人当たりではなく総額)の損賠賠償の支払いと謝罪広告を求める反訴を提起しました。 この訴訟では、オープンレターの以下の記載が名誉毀損にあたるかどうかが問題になっています(下記2項はオープンレターからそのまま引用、敬称略)。 ①「呉座氏がツイッターの非公開アカウントで過去数年にわたって一人の女性研究者(このレターの差出人の一人である北村紗衣)に中傷を続けていたこと……が明るみに出た」 ②「呉座氏自身が、専門家として公的には歴史修正主義を批判しつつ、非公開アカウントにおいてはそれに同調するかのような振る舞いをしていたことからも、そうしたコミュニケーション様式の影響力の強さを想像することができるでしょう。」 (引用終わり) ①については、
呉座勇一氏に対する「オープンレター」に関して、署名した記憶がない人たちが、署名に名前を書かれていたということが明らかになりました。さらに、北村紗衣氏から「オープンレター」の経緯を批判する人たちの「職場」へ、内容証明郵便が送られていたことも分かりました。 そもそも名前を載せた記憶がないという人が出てきました。 今ツイッター上で話題のオープンレターに私の名前も載っていたのか。全く記憶にないのだけど。 https://t.co/dZLNkYjJYz — 高野秀行 (@daruma1021) January 19, 2022 【重要声明】私は呉座勇一氏を巡るオープンレターについて、「賛同人に私の名前がある」と昨年末ごろ辻田真佐憲氏より連絡を受けました。私が賛同人を受諾した事実も、呉座氏との面識もありません。マネージャーにも照会した結果、承諾の事実はありません。第三者による無断使用なら厳にお控え下さ
明日、ゲンロンカフェに出演します。 genron-cafe.jp「歴史修正と実証主義──日本史学のねじれを解体する」というタイトルで、與那覇潤氏・辻田真佐憲氏と鼎談します。現在、文庫版『日本国紀』が大ヒット中ですが、依然として事実誤認・極端な解釈が散見されます。しかし単行本が発売された3年前と比べても、歴史学界やマスコミの反応は鈍いと言わざるを得ません。歴史学界の実証主義が歴史修正主義の跋扈を止められないのはなぜか、過去に遡って検討し、打開策を論じます。 この「『日本国紀』という題名がいけない。不遜だ。『百田尚樹の~』ならよろしい」という、超上から目線かつ滑稽なイチャモンは、3年前の単行本の際に、呉座勇一サマから頂戴したもの、そっくりそのままです。 https://t.co/XZon6G7J2V — 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) 2022年1月11
北村紗衣さま この度は多大なご迷惑をおかけして、まことに申し訳ありませんでした。 わたしが当該ツイートを書いたときには、自分のフォロワーへのサービス精神から、深刻なこの事件をある意味コミカルに単純化して、もって他山の石とすべしと投稿したつもりでしたが、あなたの名誉を毀損し感情を害する可能性があることに思い至らなかったのは何とも軽率なことでした。このような事はまったくわたしの本意ではないので、ここにお詫びするとともに、当該ツイートを削除させていただきます。 このたび発信者情報開示についての意見照会書が届いてから、『あなたに文学が何だか決める権利はない』を読ませて頂き、あなたがホメロスの『イリアス』を、過去の遺産としてではなく現代に生きる文学として語れる、日本でも稀有な研究者であることをはじめて知り、西洋古典に親しむ一人として、「パトロクロスが死んだのです」と聞かされたアキレウスの慟哭を描く詩
「陰謀実行の最大の難点は、秘密裏に遂行しなければならないため、参加者を限定せざるを得ないところである」(呉座勇一『陰謀の日本中世史』角川新書、2018年、49ページ) 3月末、日本中世史研究者の呉座勇一が、Twitterの鍵アカウントで英文学研究者の北村紗衣を含む様々な人物に中傷を行っていたことが発覚し、NHK大河ドラマの監修を辞任し、所属先の研究機関もコメントを出すなどの事態になった。非公開アカウントとはいえ、約4000人のフォロワーに対して、リツイートやいいねを含めて一方的な中傷を行っていたことが問題視された。その中傷の中には、セクシュアルハラスメント的な発言も含まれている。筆者も呉座によって中傷された者のうちの一人だったが、その件については本人から謝罪をいただいている。 この件の発端は、同じく日本中世史研究者の亀田俊和が、『異形の王権』(平凡社)などで知られる日本中世史研究の大家、網
(本記事は2021年3月25日午前5:51に「●●●●●●と私のTwitter夜逃げ(仮題)」として仮公開し、同月30日午後7時ごろに「呉座界隈問題と私のTwitter夜逃げ(その1)」として本公開した) >>必読事項<< ここを読み飛ばしたい方は以降の文章も読まないでください この記事は急いで書きましたので、誤字脱字や説明不足、不適切な表現、リンクの張り間違い、時系列の混乱、事実の見落とし、誤解などがあるかも知れません。 それらは見付け次第、修正していくつもりです。 文章が何度か変化していくだろうということです。 こういうことをすると、分野に関係なく物書きとしての信用が地に墜ちそうですが、それでも今回ばかりは仕方ないと思っています。 文章を比較検証したい方は、お好きにスクショを取るなどしてください。 ですが、そのスクショを拡散したり魚拓を取ったりすることについては、くれぐれも慎重になって
いま話題の芥川賞受賞作に倣えば、「学者、燃ゆ」だろうか。正直、驚くとともに、強い懸念を感じている。 『応仁の乱』などのベストセラーで知られる呉座勇一氏(日本中世史)が、SNSでの「炎上」がきっかけで、NHK大河ドラマの時代考証を外れることになった。発端は、フェミニストとしての批評活動でも知られる北村紗衣氏(英文学)との論争である。 炎上ならなにをしてもよいわけではない 当初は、日本中世史の大家である網野善彦(故人)の文章を「正しく読めるのはどちらか」という論点での、よくある学者どうしの諍いだった。しかし呉座氏が従来から、彼のTwitterアカウントのフォロワー(=おおむねファン)にしか見えない場所で、何度も北村氏を揶揄していた事実が明らかになり、「女性蔑視だ」との非難が殺到することになった。 呉座氏はその後、北村氏に対して非を認め、謝罪している。私自身、呉座氏の行為は褒められたことではなく
同じ著者の「応仁の乱」が面白かったので読んでみたところ、だいぶ若書きというか暴走気味で「学術的な歴史本」としては微妙なのだけども、それゆえに興味深いところがあるなあと思ったので、主にそちらについて。 「応仁の乱」のほうは漠然とした総論で大づかみに語られる日本史上の一大エポックを細かい事件経過で綴るというもので、こちらは著者のやるべきスタイルが確立した、とても良い本だった。 一方、それ以前に書かれてるこちらの本は、たぶん若手が張り切りすぎて空回りしてるんだろうなあ、もしくは時間も準備もないまま慌てて書いてしまって取り繕いようがない、という感じの力み具合があって、個別の記述は面白いところも多々あるんだけれども、全体をまとめようとして導入した視点というか史観が「戦後のマルクス主義階級闘争史観の批判」で、著者自身も「本書は非常に偏っている」とか「一種の思考実験」とかエクスキューズを述べてるんだけど
Kimura先生は「自分の言ってないことまで責任はとれませんよ」と仰るけど,やはりこれは酷すぎます。→ https://t.co/TrYNurof5K
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