統一地方選の幕が上がり、岸田政権に中間評価を下す衆参5補選の同時実施が迫る中、上梓された「山上徹也と日本の『失われた30年』」が話題だ。昨夏の参院選の最中に噴き出した自民党と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との癒着はいまだ解明されていない。憲政史上最長政権を率いた元首相はなぜ銃口を向けられたのか。山上徹也被告の全ツイートを言説分析し、事件の背景に迫ったのが著者のひとりである政治学者だ。被告と同世代、宗教2世の共通点を持つ。何が読み解けたのか、聞いた。 ◆独文学翻訳家の池田香代子氏との共著「山上徹也と日本の『失われた30年』」(集英社インターナショナル)https://www.amazon.co.jp/%E5%B1%B1%E4%B8%8A%E5%BE%B9%E4%B9%9F%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%A4%B1%E
安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃され死亡した事件から3カ月となった8日、銃撃現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅北口前では、手を合わせる人たちの姿がみられた。現場を巡っては奈良市の仲川げん市長が慰霊碑などを置かずに、当初の再開発計画通り車道として整備する方針を決定。ただ、訪れた人からは事件の風化を懸念する声が聞かれた。 全国から訪問数珠を持参して安倍氏の冥福を祈っていた奈良市の福山和明さん(72)は「『ご苦労様でした。安らかにお眠りください』という気持ちで手を合わせた」と話し、「現場に何もなくなるのは残念。何らかの形で事件について残してほしいし、命日には献花台を置くなどしてほしい」と訴えた。 東京都目黒区から訪れた自営業の鈴木良直さん(47)も「初めて現場に来た。安倍さんは安全保障や拉致問題に取り組み、日本人のために頑張ったと思う」とした上で、「事件を風化させないためにも、現場には慰霊碑な
安倍晋三元首相が銃撃された現場付近を調べる警察官ら=2022年7月8日午後、奈良市 安倍晋三元首相が銃撃された事件に関する警察庁の検証報告書は、奈良県警による警護計画や現場対応に問題があったとし、適切に対応していれば「結果を阻止できた可能性が高い」と指摘した。白昼の惨劇はなぜ防げなかったのか。長年、要人警護を都道府県警任せにし続け、体制の不備を事前に把握する仕組みを設けてこなかった警察庁の責任は重いと言わざるを得ない。(時事通信社会部 鈴木英明) 【news深掘り】 奈良県警が生んだ「空白」 事件は2022年7月8日午前、奈良市の近鉄大和西大寺駅北口で発生。安倍氏は駅前道路のガードレールで囲われた場所で演説中に背後から銃撃された。 【図解】安倍晋三元首相銃撃事件の状況 報告書によると、このとき、ガードレール内側にいた警護員は、奈良県警A、B、Cの3人と警視庁のSPの計4人。安倍氏が到着した
菅氏との蜜月 「同期入庁組は能力のある人材が豊富で、警察庁長官や警視総監の候補者は何人かいました。実は中村氏は出世レースでトップを走っていたかというと、そうでもなくて、現在、警察庁ナンバー2で次期長官の露木康浩次長のほうが、評価は高かった。転機は“政権交代”です」(社会部デスク) 政権交代といっても、民主党政権の誕生ではない。安倍晋三総裁率いる自民党が政権を奪還した2012年のことだ。 「中村氏は菅直人政権で、仙谷由人官房長官の秘書官でした。普通ならば政権交代でお役御免になるはずだったのですが、新たにやってきた菅義偉官房長官に土下座せんばかりに“続けたい”と懇願したそうです。その意を汲んで菅さんは留任させ、中村氏は持ち前の危機管理能力を発揮して、二人三脚で難局に対処していくことになります」(同) ある財界関係者はこう証言する。 「些細なことでも2人は連絡を取り合っているように見えましたね。
――ウクライナ情勢を見ても、米中対立を見ても、これから地政学的に大きな変化は避けられそうにありません。 ロシアの侵攻に対してウクライナは健闘していますが、ロシアが地力で勝るという現実が徐々に明らかになってきました。さらにアメリカ主導で対露経済制裁が行われているわけですが、参加しているのは先進国だけ。制裁を掛ければロシアは立ちいかなくなるだろうという見込みで始めたわけですが、あまり効いていない。現実問題として先進国に世界をコントロールする力などないことが証明されつつあります。 そういう混沌とした世界情勢の中で、現状分析もあやふやでビジョンを明確に示さない2012年体制が対応できるのか。難しいだろうと言わざるを得ません。 ――ビジョンのない長期腐敗体制は、なぜ生まれてしまったのでしょうか。 無能と不正、腐敗の体制がなぜできたのかを問うべきでしょう。今回の参議院選挙でも自民党が大勝したわけですが
安倍元首相の殺害事件はテロか私怨か、そしてなぜ岸田政権は直ちに国葬を決めたのか。作家・赤坂真理さんによる緊急特別寄稿。眼からウロコの読み解きです。 容疑者の目的とその手段 私怨ではない。これこそが、テロリズムである。 安倍元首相の殺害事件は、最初は「要人を狙ったテロ」だと思われていた。昭和初期を思わせるような。その後、「いやテロではなく私怨だ」という論調になってきた。容疑者は、自分の生まれ育った家族を破壊した統一教会を恨んで凶行に及んだのだから、と。 いや。わたしは、これはもしかしたら、言葉本来の意味での「テロリズム」なのではないかと、今思っている。 「恐怖や暴力を見せつけることによって」「別のより大きな目的を果たす」。 テロリズムの定義そのものと言っていい。 容疑者の目的は、統一教会の恐ろしさを訴えることだった。 安倍は、その手段に選ばれたアイコンにすぎない。 山上容疑者は、供述を信じる
衆院選の結果について、自民党開票センターで取材に応じる自民党の甘利明幹事長(当時)=東京都千代田区の同党本部で2021年10月31日午後10時半、西夏生撮影 自民党が8月の臨時国会で実施する予定だった安倍晋三元首相の追悼演説を先送りする検討に入ったのは、甘利明前幹事長(麻生派)が演説を行うことに対して与野党の反発が強まったためだ。特に銃撃事件で会長の安倍氏を失った自民党安倍派(清和会、97人)で批判が強まったことが大きな要因となった。 安倍派が反発を強めたのは、甘利氏の20日のメールマガジンがきっかけだ。この中で甘利氏は安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ…
安倍晋三元首相の国葬実施が閣議決定された22日朝、東京・永田町の首相官邸前で市民団体が抗議集会を開いた。 「許すな!憲法改悪・市民連絡会」など都内で活動する11の市民団体が企画し、約400人(主催者発表)が参加。「国葬NO!」「税金使わないで!」などと書かれたプラカードを手に、「反対世論の声を聞け」「国葬の政治利用、許さない」とシュプレヒコールを上げた。 東京都台東区から駆けつけた無職神田さよ子さん(70)は「新型コロナ禍で入院できない人、生活が苦しい人もいるのになぜ多額の国費を費やすのか。事件自体は気の毒だが、別問題だ」と語気を強めた。同連絡会の高田健共同代表は「法令上の規定もないのに、国会を開かずに一方的に閣議決定するのは民主主義に反する。世論の分断と対立もあおりかねない」と訴えた。
「忖度」があったのでは 「前田晃伸会長も正籬副会長も、(放送局の監督官庁である)総務省に今も強い影響力を持つとされる菅義偉前首相に、菅氏の退陣後も異常なまでに気を使っている。正籬氏は来年1月で任期が切れる前田氏の後継会長の座を狙っているとも言われているから、菅氏が岩田記者を嫌っていることに忖度して、出演させなかったのではないか」 政治部から長く離れていたKデスクは「同じ東北地方出身ということで官房長官時代の菅氏に近付いて『菅詣で』を繰り返し、菅氏の推挙で異例の政治部復帰を果たしたと言われる明確な『菅印』の記者」(別の報道局関係者)であることも、菅氏に対する忖度を裏付けている。 安倍氏の遺体が自宅に戻った7月9日の「ニュース7」では、岸田首相や森・小泉両元首相らが次々と弔問に訪れる様子を冒頭で伝えたが、ぶら下がりインタビューを使ったのは菅氏一人だけだったこともNHKの「菅シフト」をうかがわせ
撃たれて死んだことは理由にならない…「安倍元首相の国葬」に国葬の専門家が「やるべきではない」というワケ 国葬はむしろ「民主主義の精神」と相反する制度 国葬はむしろ「民主主義の精神」と相反する制度 国葬当日の渋谷駅前のハチ公前広場では、共産党や民主団体の宣伝カーが反対演説をしてビラをまいていた。革新系首長の自治体では、平常どおり業務が行われていた。東大駒場キャンパスには、「するな黙祷、許すな国葬」と書かれた立て看板があった。国葬に関心を示さない人も多かった。浅草六区では黙祷の合図のサイレンがなっても誰も足を止めない。東京駅でも、スピーカーで黙祷の合図が知らされたが、足を止めて目を閉じたのはごくわずかであった。銀座の女子高校生は黙祷している人をみて「あれ、なにやってるの」と言う始末だったという(『朝日新聞』1967年10月31日夕刊)。 吉田の国葬では、もはや戦前の国葬のような風景は見られない
「民主主義を断固として守り抜く」への違和感 岸田文雄首相は、2022年7月14日に開かれた記者会見にて、凶弾に倒れた安倍晋三元首相の葬儀を今秋に「国葬儀」の形式で行うと発表した。 その理由として挙げられたのは、①憲政史上で最長期間首相を務めたこと、②さまざまな分野で重要な実績をあげたこと、③国内外から哀悼の意が寄せられていること、の3つである。そして、「安倍元首相を追悼するとともに、わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く」と国葬の意義を語った。 私は、この会見の内容を目にして恐ろしさを覚えた。 3つの理由は、どれも納得できるものではないが、事前の報道で話題になっていたこともあって驚きはしなかった。ただ、岸田首相の言葉にある「民主主義を断固として守り抜く」は意味がわからなかった。不当な暴力で亡くなったからといって、安倍元首相を国葬にすることがどうして民主主義を守ることになるのか。
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