衆参両院の本会議は三十一日、安倍晋三首相の施政方針演説など政府四演説に対する各党代表質問を行った。毎月勤労統計の不正に伴う再集計で、賃金の伸び率が下方修正されたことを巡り、首相は「雇用、所得環境は着実に改善しているとの判断に変更はない」とアベノミクスの成果を重ねて強調した。これに対し、野党に加え、与党からもアベノミクスの成果を疑問視する声が出た。 (清水俊介) 国民民主党の榛葉賀津也参院幹事長は参院本会議で「アベノミクスが重視する賃金の動向に疑義が生じている」と指摘。自民党の橋本聖子参院議員会長も「賃金上昇率に疑念の声が出ている。今回の不正調査でどのような影響があるのか、政府の見解を示していくことは大切だ」と求めた。 首相は続く衆院本会議で今回の不正に関し「国内総生産(GDP)に影響がないことが確認されている」と強調。共産党の志位和夫委員長が各種経済指標への影響についてただした。 首相は、