概要 ARコート(anti-reflective coating)とは、ガラスなど透明な素材の表面で光の反射や映り込みを防止するノングレア処理の一つで、表面に屈折率の異なる素材で透明な薄膜を形成する方式。 液晶パネルや眼鏡レンズなどの表面で反射光を低減する手法の一つで、光の干渉を利用して照明などによる外光を打ち消すことができる。材料の表面に真空蒸着などでフッ化マグネシウム(MgF2)や二酸化ケイ素(SiO2)などの極薄い透明な膜を形成する。 幕の薄さは可視光線の波長の1/4になっており、外光が入射すると膜の表面で反射する光と、膜を透過して材料表面で反射する光の位相がちょうど逆になり、互いに打ち消し合って反射光が目立たなくなる。 一層で対応できる可視光の波長には限りがあるが、複数の異なる素材で透明な膜を何層も形成することにより幅広い波長の光をまとめて打ち消すことができる方式を「マルチARコー