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かつて日本は「一億総中流」を誇る社会だったはずだが、今やその影もない。貧富の格差を肌で感じながら漠然とした不安を抱いている人たちに、詳細な調査データでその現実を示し、衝撃を与えている本がある。発売2カ月で6万部の大ヒットとなっている新書「新・日本の階級社会」(講談社現代新書)だ。 新たに登場した「アンダークラス」という下層階級。著者の社会学者で早大教授の橋本健二氏は、「誰でもいつでもアンダークラスに転落する可能性がある」と断言する。一体どういうことなのか――。 ■貧しいけれど気楽な日常、なんてない ――社会の階級構造が大きく変わってきたということですが、どう変わったのでしょうか。 これまでは「資本家」と「労働者」が基本的な階級で、その両方を併せ持った中間階級があり、その中にホワイトカラーなどの「新中間」階級と自営業者の「旧中間」階級がいるという4つからなる階級構造でした。ところが、非正規労
「室内からボーンッ、ボーンッって爆発音がして、ガラスの割れる音が続いた。音の恐怖がすごかった」 と119番通報した男性はその夜を振り返る。 今でも耳に残る悲鳴 生活困窮者の支援を掲げる札幌市東区の共同住宅「そしあるハイム」で1月31日午後11時40分ごろ火災が発生し、木造2階建て約400平方メートルが全焼、女性3人を含む計11人が死亡した。 入居者16人中、13人が生活保護受給者だった。家賃は食事代別の月3万6000円で風呂、トイレ、食堂は共用。60~80代の高齢者が多く、天気がいいときは共同住宅前のベンチに座って談笑するなど仲がよかったという。 冒頭の119番通報をした男性は、近くで焼き鳥店を経営する五十嵐隆之さん(70)。深夜に帰宅したとき共同住宅から煙が出ているのに気づき、通報すると同時に、鉄製のスコップを持って駆け寄った。 「身体の不自由な人などいろんなじいちゃん、ばあちゃんが暮ら
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