22 May 2009 (Volume 4 Issue 5) 統計解析で得られた集団構造に関する情報から、より高い精度で疾患と遺伝子を関連づけることが可能に 日本人の大部分は遺伝的に異なる2つのグループに大別されることを、理研ゲノム医科学研究センター(神奈川県横浜市)の生物統計学者からなる研究チームが明らかにした。これは重要な意味をもつ。なぜなら、このような集団構造の存在により、疾患と遺伝子の関連性を見つけ出すためのゲノムワイド相関解析(GWAS)にバイアスがかかってしまい、誤った関連性が導かれるおそれがあるからである。研究チームは、今回の研究成果に基づいて、このバイアスを回避もしくは補正する方法も提案している。近年、特定の疾患の症状と1塩基多型(SNP)との関連を明らかにするために、GWASが次々と行われている。GWASは、患者群と対照群の間で多型遺伝子マーカーの保有頻度の差異を統計的に