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視覚障害者の安全な歩行を追求していた全盲の研究者、田中一郎さんが26年前、東京都内の駅のホームから転落し、62歳で亡くなった。四半世紀を経た今、教え子4人が遺志を継いで研究や訓練を続けている。【野村房代】 見えなくても普通に生活できる社会を 1991年5月17日未明。国立身体障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の研究員だった田中さんは、同僚の退職パーティーの帰りに、自宅最寄りの京王井の頭線・浜田山駅(東京都杉並区)で線路に転落した。ホームに登ろうとしているところに電車が到着し、車両とホームの間に挟まれた。 生理学者として東京女子医大で神経細胞を研究していた田中さんは目の病気が悪化し、40歳の頃、全盲となった。当時の国立視覚障害者施設は、はり・きゅうマッサージの教育が中心で、1人で外出して歩くための訓練メニューはなかった。
昨年9月初旬、名古屋国際センター(名古屋市中村区)の研修室に日本人と中国人計約10人が集まった。3人1組で取り組んだのは、実際の介護現場を想定した通訳の訓練だ。 「徘徊(はいかい)はありますか」。日本人の調査員役が、中国人の息子役に父親の様子を質問すると、通訳担当の日本人女性が中国語に訳す。 「没有(メイヨウ)」。息子役が答えると、通訳担当は「ありません」と日本語に訳して調査員役に伝えた。こうした訓練を約2カ月重ね、介護の現場で通訳に携わる。 介護通訳の養成に乗り出したのは、在日中国人を支援するNPO法人東海外国人生活サポートセンター(同市中川区)。きっかけは、代表の王栄(ワンロン)さん(52)の体験だった。中国残留日本人孤児だった父親(71)が帰国後、50代でパーキンソン病を発症。中国人の母(62)は介護サービスの利用手続き書類が読めず、王さんが通訳をして支えた。 3カ月を超える在留資格
「楽しくなければ福祉じゃない」 障害を持つ当事者とその支援者らが企画・運営する「福祉映画祭inNAGOYA」が28、29両日、名古屋市昭和区の昭和文化小劇場で開かれる。障害者に関連した作品など計7本を上映する予定。関係者は「映画には多様な生き方が描かれている。それを互いに認め合う機会にしてほしい」と語り、広く来場を呼び掛けている。【長谷部光子】 社会福祉法人AJU自立の家(昭和区)の後援会とAJU車いすセンターで、映画好きの関係者らでつくる実行委員会の主催。「障害にかかわらず映画を楽しめる場を作ろう」と1983年に始まった映画祭で第20回を節目にいったん閉幕したが、AJU創立25周年の2015年に復活した。
日本が国を挙げて加速的に取り組んでいる社会問題のひとつに「待機児童問題の解消」があります。しかし、現実には保育士不足などの課題があり、仕事をもつ保護者の負担は軽減されていません。 この問題を解決するため、地域医療を担う公的病院グループ"JCHO"の理事長であり、WHOでは西太平洋地域の責任者を務めた尾身茂先生は、職種や年齢を問わず誰もが参加できるNPO法人「全世代」を立ち上げました。 今回は、「病院内保育所の地域住民への開放」など、具体的な待機児童解消プランについてご紹介します。 日本人の就労や心身の健康問題を解決するためのNPO法人「全世代」とは? 「政治家や行政庁に依拠しすぎることなく、日本の未来を自分たちの手でよくしていきたい。」 NPO法人「全世代」は、このような想いを持った老若男女が一同に会し、「参加型市井会議」を開こうという発想から、2015年の9月に設立されました。 立ち上げ
NHKは21日午後10時半、総合で「ココがズレてる健常者 障害者100人がモノ申す」を放送する。障害者らマイノリティーが多数出演するEテレの情報バラエティー「バリバラ」(日曜午後7時)から派生した特番。スタジオに集まった障害者100人が健常者の常識をくつがえす。 番組は12月6日に東京・渋谷のNHK放送センターで収録された。集まった100人の障害はさまざま。車いすでやってきた肢体不自由の人もいれば、知的障害や精神障害がある人も。それぞれが、健常者の配慮が実は過剰だったり、逆に尊厳を傷つけていたりすることを経験を交えて語った。 例えば「無意識で体が動く不随意運動でぶつかってしまった時、自分が謝りたいのに逆に謝られてしまう」「小児まひで言葉が不明瞭なのを電話口でわかったふりをされる」など。また、同じ人間として理解してほしいという思いから「障害者は聖人君子」というイメージを払拭(ふっしょく)する
シーエーシーが開発したアプリ「ボッチャメジャー(仮称)」。10分の1ミリ単位でジャックボールと他の球の位置を計測する=金沢市で、飯山太郎撮影 ボール間の距離、精密に自動計測 協会、無料配布を検討 9月のリオデジャネイロ・パラリンピックでボッチャは日本がチームで銀メダルに輝き、一躍脚光を浴びた。いかに目標球に自分の球を近づけるかを争う競技で、これまでは手作業で測っていたボール間の距離を自動計測するアプリ「ボッチャメジャー(仮称)」が開発された。手軽に競技できるようになるため、2020年東京パラリンピックを控え、普及や強化に一役買うことが期待される。 ボッチャの試合では審判が目視やコンパスのような特有の定規を使って、目標球と他の球の距離を計測する。だが、似たような距離を判定するのは初心者には難しかった。このアプリはインストールしたスマートフォンなどをかざすと、目標球の白いジャックボールと赤と青
なぜ、障害者スポーツにヒーローが求められているのか 2020年東京パラリンピックの開催まで4年を切り、障害者スポーツへの注目度は日増しに高まっている。それに伴って障害者スポーツを支援する企業も増えてきており、今、障害者スポーツを巡る環境は変わり始めている。しかし、障害者スポーツに関わる人々は、現在の状況を楽観視していない。「2020年以降もこの熱が持続するのか」「2020年に向けた一過性のものではないか」という疑念を抱いていることが多いのも事実である。 熱を持続させるためには、国の支援や競技団体の地道な普及活動など、必要なことはいくつもあるが、その中でも最も分かりやすいのは「ヒーローの登場」だといえるだろう。「障害者スポーツ」「健常者スポーツ」という垣根どころか、「スポーツ」という枠自体を飛び越え、社会現象を巻き起こすような存在が登場すれば、否応なしに熱は高まる。もちろん、ヒーローが誕生し
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