名古屋城木造新天守にエレベーターを設置しないことを決めた名古屋市が24日、代替案とされる新技術を障害者団体に説明した。4企業が実績や構想を披露したが、障害者側は「求めているのは技術の発展ではなく、誰もが上れる権利だ」と納得しなかった。 今回紹介したのは、二足歩行ロボット、障害者も乗れる「かご」、介助者支援のパワードスーツ、階段昇降機の4技術。かごは市が当初示した11案になかった案で、自動車部品製造で培った技術で軽量化するなどして「段差を容易に超えられる」という。 これに対して、障害者からは「車いすの人が違う物に乗るのは皆さんが思う以上に負担だ」「(新天守完成までの)4年間で開発が進むのか」といった疑問が相次いだ。出席者の一人は終了後、「エレベーターも新技術の選択肢に入れてほしい」と話した。 障害者からは、69歳の河村たかし市長自身が「急な階段を最後まで上りきれるのか」との質問も出た。河村市
長野県は10日、高齢者や障害者をはじめ誰でも旅行を楽しめるユニバーサルツーリズムを県内に普及させるため、第1回長野県ユニバーサルツーリズム推進会議を県庁で開いた。今後、関係団体の連携を強化し、ユニバーサルツーリズムを支える人材育成や機器の普及、モデルルートの開設などを官民で進めていく。会議には市町村や観光事業者、交通事業者、福祉団体などの125人が参加。都会のようなバリアフリー設備の偏重でなく
車いすのお客さんも気軽に楽しめるバリアフリーラウンジ「スターレイン」。手前右は代表の小林輝さん=札幌市中央区で2018年6月15日、竹内幹撮影 障害のある人でも気軽にお酒を楽しんでもらおうと、札幌市中央区の歓楽街ススキノの中心部に、バリアフリーのラウンジ「スターレイン」がオープンした。車いす利用者などに配慮した店内のレイアウトやメニュー表は当事者の声を聞いて準備し、障害者に対応する接客講習も定期的に実施。店主の小林輝さん(29)は「どんな人でも気軽に楽しめる店を目指したい」と話している。 ススキノで飲食店を2店舗を経営する小林さんが「スタッフがいつまでも働ける職場を」と福祉事業に着目。ノウハウがある飲食業でバリアフリーに特化した店を開こうと、約1年の準備期間を経て今年4月にオープンした。約15人の女性スタッフのうち2人には聴覚などの障害がある。
「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」(東京都港区)を訪れた聴覚障害の4人が、聞こえないことを理由に入館を断られていたことがわかった。国は「障害者差別解消法の禁止事項に当たる」とし、施設側に改善を求めた。運営会社は「大きな過ちを犯した。深くおわびする」としている。 入館を断られたのは、新潟県に住むろう学校教員でろう児支援団体代表の阿部光佑さん(31)。4月21日の土曜日、家族などで楽しもうと、息子(3)と娘(6)と友人の計4人でレゴランドを訪れた。入り口でスタッフに呼び止められ、「聞こえる方はいらっしゃいますか? 聞こえる人が付き添わないと入館はできません」と筆談で伝えられた。4人とも聴覚障害があるため、理由を聞くと「災害時に避難の呼びかけに応じることができないため」と説明された。子どもたちは「ほかの子は遊べるのに、なんで自分は入れないの?」とショックを受けた様子だったという。 施設
パラスポーツ専用体育館「日本財団パラアリーナ」が完成 オープンセレモニーに森組織委会長、小池都知事ら出席 2018年6月1日より、運営開始 この度、日本財団パラリンピックサポートセンター(以下、パラサポ)は、パラアスリートの練習環境整備を目的に、パラスポーツ専用体育館である「日本財団パラアリーナ」を建設しました。東京臨海副都心地区にある「船の科学館」の敷地スペースを活用し、2018年6月1日より、運営を開始いたしました。 (後列左から3番目より)日本財団パラリンピックサポートセンター 山脇康会長/東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 森喜朗会長/日本財団 笹川陽平会長/小池百合子東京都知事/日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会 鳥原光憲会長/日本海事科学振興財団 鈴木浩司常務理事、各競技の選手らがオープンセレモニーに出席。 2020年東京パラリンピック競技大会開幕
2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都と大会組織委員会は9月募集開始のボランティア11万人に対し、障害者のアスリートや観客らをサポートするための実技研修を実施する方針を固めた。ノウハウ習得には座学だけでは不十分と判断。多様な障害に対応できる人材を育成し、大会後のレガシー(遺産)として共助社会の実現につなげる狙いもある。ボランティア参加を促すため、企業や大学への働きかけなども加速させる。 組織委は昨年3月、大会のバリアフリーに関して「アクセシビリティ(利用しやすさ)ガイドライン」を公表。ボランティアのトレーニング内容について「障害者が満足する大会サービスは何か、障害者の要望をどう実現するか取り上げる」などとしている。 ガイドラインは障害者と接する際の注意ポイントに関し、同伴者でなく本人に向かって話すことなど細かく指摘。ガイドラインに基づきトレーニング内容を検討する組織委と都は、多様な障
名古屋市が名古屋城木造新天守にエレベーターを設置しない方針を決めたことについて、愛知県の大村秀章知事は14日の記者会見で「障害者の基本的人権は尊重されなければならない。市は障害者の皆さんと意見交換して、より良い解決策を見いだしてほしいと強く申し上げたい」と述べ、市に再考を促した。 市の方針については、障害者団体の全国組織が抗議文を送ったり、県内の障害者団体が県に対し救済措置を申し立てたりしている。 大村氏は、エレベーター不設置について「障害者の基本的人権にかかわる極めて重大な問題と認識せざるを得ない。(障害者団体からの)申し出は重く、厳粛に受け止めないといけない」と指摘。県への救済申し立ての扱いについては「我々ができることを十二分に検討したい」と述べた。
東京都は2018年度、高齢者や障害者が快適に過ごせるようバリアフリーに取り組む宿泊施設への補助を拡大する。20年東京五輪・パラリンピックに向けて誰もが旅行しやすい環境整備につなげる狙い。17年度までは対象外だった1000平方メートル以上の改築にも最大2800万円を出すほか、1000平方メートル未満でも17年度比6倍の金額を助成する。対象となる
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