出所者の社会復帰を助けるNPO法人「マザーハウス」(東京都墨田区、五十嵐弘志理事長)は、出所者支援の一環として同事務所の隣に開設するカフェの改装費集めに、不特定多数の出資者を募るクラウドファンディングを活用する。カフェは「マリアカフェ」と名付け、当事者主体のコミュニティカフェとして、ミーティングやカウンセリングを行うほか、加害者家族やいじめ、ドメスティックバイオレンス(DV)被害、生活保護などに関する相談も受け付ける。 利用予定のスペースは、これまで倉庫として使われていたため、壁も床もコンクリートがむき出しでトイレやエアコンなどの設備も整っていない。現在は当事者スタッフ総出で塗装工事をしている段階だ。目標額は300万円で、出資額は1口2千円から。 5口以上の出資者には、受刑者が描いた世界に1つだけの絵画を使用した「獄中POSTシリーズ」ミニセット(ポストカード1枚、封筒1枚、便箋10枚)2
性同一性障害の僧侶、柴谷宗叔さん(63)が性的少数者(LGBTなど)の相談などに応じる「性善寺」を寝屋川市の実家に建立するため、寄進を募っている。かつては自身の性について悩んだが、仏教を学ぶ中でカミングアウトした柴谷さん。「昔の自分と同じ立場の人たちのSOSに応える『駆け込み寺』のような存在にしたい」と話す。来春までに完成させる予定。 柴谷さんは、小学校低学年の頃から、体が男性で心は女性という性同一性障害に気付きながら日常を送ってきた。大学卒業後、新聞社に入社したが、仕事を続けるために職場では男性として振る舞った。 転機が訪れたのは平成7年の阪神大震災で、神戸市の自宅が全壊。地震発生時、寝屋川市の実家にいたことから自身は難を逃れたが、がれきとなった自宅から観光気分で四国遍路をしていた頃の御朱印などが記された納経帳を見つけた。ボロボロになった納経帳に「身代わりになってくれた」と感謝し、観光で
海が見える家で待ってるよ――。暴力団から離れ、少年たちの立ち直りを支援してきた牧師がいる。血液のがんとの闘病を経て先月、新たな受け入れ施設を開いた。「安心して『ただいま』と言える場所を」との思いを込める。 施設は、市街地の先に大阪湾が見える高台の一軒家だ。「この眺望は『帰って来たい』と思わせる演出」と、神戸弟子教会(神戸市灘区)の牧師・森康彦さん(59)は笑う。非行や虐待被害で家庭に戻れない15歳以上の少年を3人ほど受け入れ、寝食を共にして20歳まで見守るつもりだ。 少年・少女の立ち直りを支援するNPO法人「ホザナ・ハウス」を2011年に設立。受け入れ施設は、これで3カ所目になる。今回は少年限定だが、少女用シェルターも。門限(午後10時)と消灯時間(同11時)を守れば、働いても働かなくても、勉強してもしなくてもいい。時には将来への助言を与えつつ、約50人を社会に送り出してきた。 ■洗礼受け
家族を亡くした生活保護受給者が申請し、火葬代などが支給される「葬祭扶助」の大半が、一人暮らしの生活保護受給者本人が死亡した際に支給されていることが、20政令市と東京23区に行った読売新聞の調査でわかった。 親族がかかわりを拒み、代わりに民生委員らが申請するケースが多く、経済的に困窮しながら孤立する単身の高齢者が増えている状況を表している。 厚生労働省によると、葬祭扶助は、生活保護受給者の申請により身内の遺体の運送代や火葬代など必要最小限の葬祭費用を補う制度。受給者本人が死亡し、親族が申請者とならない場合、自治体が頼んで地域の民生委員や、みとった病院に申請者になってもらうことが多い。 読売新聞が2016年度の葬祭扶助の支給状況などについて、生活保護受給者の多い都市部の43市区にアンケート調査を実施。単身の受給者本人が死亡して支給された割合について、26市区が概算などで回答した。 このうち、「
死の意味を説き、死者を供養する僧侶の元には多くの霊魂譚が寄せられる。本章では僧侶1335人に対するアンケートや聞き取り調査から、霊的現象の事例を紹介し、その傾向、メカニズムを解説する。その前編。 栃木県佐野市にある浄土宗・一向寺の住職、東好章(48)は静かに話し始めた。 「うちの寺では檀家さんからの除霊や鎮魂をお受けしています。つい先日も、ある方が『最近、体の具合が悪い。家の仏壇を粗末にしていたから、ご先祖様の怒りを買ったに違いない。供養して欲しい』とおっしゃる。自宅にお邪魔すると確かに、仏壇は何年も放置された状態でホコリが被っていて、何代前かわからないような古い位牌がいくつも置かれている。私はきちんとお掃除して、どの霊位が祀られているのかを確認し、回向をして差し上げました。檀家さんは、『おかげで(体の具合が)良くなった』と言っておられたので、回向には一定の効果があったのかな、と思います」
2018/03/09 18:20 幽霊はやはりいないんでしょうね。震災のあった場所という雰囲気のためにありもしないものが見えるのかも。要は気のせいです。そう思わないとやってられません。 2018/03/09 14:49 多方面の取材が含まれており、ただのトンデモ記事にならず良かったと思います。 2018/03/09 13:04 震災後、半年ほどして出張で宮古を訪れたとき、タクシーの運転手さんから夜の12時以降は営業してないです、と聞きました。呼び出しが会って、お客様を乗せて送り届け、ふっと気付くと誰も乗っていないことが度々あり、その会社では12時以降は営業を取りやめたそうです。 ちょっと怖い話ですが、その後鹿児島に出張し、鹿屋(少年特攻隊の基地があって有名な街ですが)で夜某スナックでこの話をしたら、お店の若い女性が怖がらずに「良かったです、無くなった人が行きたい場所に届けてあげて」、と。俗
貧困家庭の子どもたちに食事を提供する取り組みをしている教会関係者で2016年に結成した「クリスチャンこども食堂ネットワーク」(庄野明洋代表)。2月19日に同ネットワーク関東連絡所(東京都千代田区)で、関東こども食堂情報交換会が立ち上げられ、こども食堂に関わるプロテスタントやカトリックの教会関係者ら15人が参加した。 会では、1日の食事を給食に頼っている子は、夏休みになると痩せていくなどこども食堂を通して貧困問題が見えてくる、貧困家庭は母子家庭が多いなどの声が報告された。こども食堂の取り組みに対して地域が協力的で、業者から食材の提供などがある一方、子どもが騒ぐことで近隣より苦情が来るため、会場の選定が難しいなどの意見が共有された。 個々の活動紹介により、提供対象を子どもに限らず、「孤食」の高齢者にも広げているところや、食事だけではなく、学習支援も行っているところなど食堂による特色の違いが示さ
東日本大震災を機に養成が始まり、被災者やがん患者らのケアに当たる「臨床宗教師」の資格認定制度が5日、新設された。日本臨床宗教師会(島薗進会長)の取り組みで、5年ごとの更新制。初回は146人が認定臨床宗教師となった。震災から7年となるのを前に、悲嘆や苦悩を和らげる専門職としての宗教者の活動が、新たな段階に入る。 臨床宗教師は、東日本大震災で宗教・宗派を超えた宗教者の有志が結集し、協力して犠牲者の追悼や遺族のケアに当たったことがきっかけで誕生した。東北大が平成24年度に養成を始め、龍谷大や高野山大などが追随。今年3月末までに7大学で延べ261人が研修を修了する見込みだ。 修了者はすでに被災地や医療・福祉機関などで活動を始めているが、宗教への偏見などから協力を拒まれるケースもあり、布教や宗教勧誘を目的としない公共性の高い職種であると証明する必要があった。 このため、養成に取り組む各大学の研究者や
性的少数者のための駆け込み寺を大阪府寝屋川市に建立しようと、高野山真言宗の僧侶柴谷宗叔(そうしゅく)さん(63)が寄進を募っている。自身も生まれつき体と心の性が一致しない性同一性障害で、50代になるまで誰にも打ち明けられず苦しんだ。性は多様でいいという思いを込め「性善寺(しょうぜんじ)」と名付けることに決めている。 元全国紙記者、阪神大震災が転機に 男性として生まれた柴谷さんは、小学生の頃から違和感があった。野球やサッカーで遊ぶ男子の中に溶け込めず、女子と一緒に遊びたくても輪に入れない。中学校では校則で丸刈りを強いられ、髪の毛を伸ばしてスカートをはく女子がうらやましかった。 男は男らしく。父に言われ続けた。「なよなよしている」と、手を上げられることも少なくなかった。 大学進学で上京。新宿のゲイバーに通った。自分と同様、出生時の性別が男性で心の性別が女性のトランスジェンダーの店員がいた。「自
災害・医療現場で悲嘆や苦悩のケアに当たる宗教者の専門職「臨床宗教師」を養成している龍谷大大学院で平成29年度、新たに13人が研修を終えた。26年度に開講して以来、4年間の修了生は通算45人となった。 修了生らは昨年5〜12月、東日本大震災の被災地や緩和ケア病棟のあそかビハーラ病院(京都府城陽市)などで約150時間の実習を受け、相手の話に耳を傾ける「傾聴」や、異なる宗教間で協力する能力などを身につけてきた。 修了式が京都市下京区の大宮学舎で17日行われ、東北大大学院の谷山洋三准教授(臨床死生学)が、3月に始まる臨床宗教師の資格認定制度について講義。「布教を目的としないことを定めた倫理綱領を守ることが大切だ」と述べた。 東日本大震災の被災者との交流が最も印象に残ったという兵庫県尼崎市の浄土真宗本願寺派僧侶、天崎仁紹さん(24)は「悩みや苦しみを心で受け止める僧侶になりたい」。比叡山で修行中の天
神戸の高木さん、熊本地震で実家全壊「悲しみ共感、さらに」 喪失感からの回復をサポートする「グリーフ(悲嘆)ケア」に取り組むシスター、高木慶子(たかき・よしこ)さん(81)=神戸市灘区。1995年の阪神大震災では自身も被災し、傷付いた人々のそばに寄り添った。事件や事故、災害の被害者や遺族に会うため全国を飛び回っていたが、2016年4月、故郷・熊本が地震に襲われ、実家が全壊した。自身のルーツが消えていく恐ろしさを感じた高木さん。「被災者の中に一滴でも涙が残っている限り、心の支援は打ち切ることができない」と、今日も祈りをささげる。 グリーフケアとは、肉親や大事な人を亡くして悲しみや罪悪感に襲われる人らをサポートする試みで、1960年代に米国で始まった。
寺院を会場に開かれた「おれんじテラス」のセミナーで、認知症の人への対応方法を話し合う参加者ら=京都市下京区で2017年7月12日、花澤茂人撮影 認知症対策の拠点として寺院を活用しようと、京都の若手僧侶らがプロジェクトチームを結成した。全国各地にあり、高齢者との接点が多い寺院を一種の社会基盤と考え、その強みを生かし認知症に悩む人や専門家らが集う「駆け込み寺」になることを目指す。都市部などで「寺離れ」が進む中、社会的に関心の高い課題で新たな存在感を示せるか注目されそうだ。 中心となっているのは浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)の研究機関「総合研究所」の研究員、加茂順成(じゅんじょう)さん(34)ら。数年前から高齢者の社会的な孤立を研究し、寺院が認知症対策に重要な役割を担えると感じた。聞き取り調査などを進め、今年4月に京都市であった第32回国際アルツハイマー病協会国際会議ではポスタ
ハンセン病患者の救済に尽力した鎌倉時代の奈良の僧・ 忍性 ( にんしょう ) (1217~1303年)の偉業を知ってほしいと、奈良の若手僧侶が生誕800年となる16日、ゆかりの国史跡「 北山十八間戸 ( きたやまじゅうはっけんこ ) 」(奈良市川上町)で記念法要を営む。 忍性は現在の奈良県三宅町生まれの僧侶。当時は僧侶からも忌避されていたハンセン病患者の療養施設を奈良や鎌倉に建て、歩けない患者を背負って送り迎えしたとの記録も残る。北山十八間戸は、忍性が患者の宿舎として建てた。 法要を企画したのは、北山十八間戸の北約400メートルにある般若寺の副住職、工藤 顕任 ( けんにん ) さん(31)。「偉業をなした僧なのに、あまり知られていない」と感じ、「忍性は慈悲を説くだけではなく、先頭に立って行動した。自分もできることを」と思い立ったという。
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