厚生労働省と財務省は地域の医療機関を対象に、増え続ける訪日客を診察しやすくする税制上の措置を検討する。具体的には、通訳や病院内の英語表記などにかかるコストについて、受診する訪日外国人の治療費に上乗せできるしくみにする方針だ。厚労省などが2019年度の税制改正要望に盛り込む。農協系の医療機関もあるため農林水産省も共同で要望する。対象となるのは社会医療法人など法人税の免除が適用されている地域の医
厚生労働省と財務省は地域の医療機関を対象に、増え続ける訪日客を診察しやすくする税制上の措置を検討する。具体的には、通訳や病院内の英語表記などにかかるコストについて、受診する訪日外国人の治療費に上乗せできるしくみにする方針だ。厚労省などが2019年度の税制改正要望に盛り込む。農協系の医療機関もあるため農林水産省も共同で要望する。対象となるのは社会医療法人など法人税の免除が適用されている地域の医
子どもたちの自殺やいじめを防ぐため、LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使った相談を受け付ける自治体が急速に広がっている。朝日新聞が都道府県と政令指定市の67自治体に尋ねたところ、「既に実施」「実施予定」との答えが全体の5割にあたる34自治体に上った。自治体側は「一人で悩まず、気軽に相談してほしい」と呼びかけている。 調査は7~8月、47都道府県と20政令指定市の教育委員会などの担当部署に、主に高校生までを対象にしたSNS相談の予定や実施時期を聞いた。「既に始めた」「取り組む予定」と答えたのは福島県や和歌山県、熊本県、三重県など34自治体だった。相談には25自治体が無料通信アプリ「LINE」を使うとし、5自治体は匿名でいじめなどを通報するアプリを使うとした。 相談の実施時期や対象者は自治体によって幅があるが、その多くが夏休み中か、その前後の期間を含めていた。夏休
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法の成立を受け、誘致を目指す大阪府・市が独自のギャンブル依存症対策に乗り出している。国が立地区域を選定する際の重要な要素とみており、市民向けセミナーや高校での出前授業で依存症の予防・啓発を図る。同法はIRの設置申請に地元の同意を求めており、依存症患者の増加に対する市民の懸念を払拭する狙いもある。「人に言えない生きづらさを抱えている人は依存症になりやすい」。
日本には他の先進国と比べて突出して多くの精神病床があり、専門家は「病床削減が入院長期化の抑制になる」と指摘している。 厚生労働省によると、日本の精神病床は2016年10月時点で33万4258床。経済協力開発機構(OECD)のまとめによると、人口1000人当たり2.63床で、OECDの加盟36カ国で最多だ。各国で統計の取り方が異なっているものの、2番目に多いベルギー(1.37床)の2倍近くに達している。 今回明らかになった入院期間50年以上の1773人の大半は、1950年代後半から60年代中ごろ病院に入った患者だ。橋本明・愛知県立大教授(精神医療史)は「病院増加で『収容一辺倒』の時期に入った人が長期化している」と言う。戦前は病院不足の中、精神病者監護法(1900年施行)で患者を自宅に閉じ込める私宅監置が認められていたが、50年の同法廃止と精神衛生法の施行で私宅監置が禁じられ、その後に病床数は
小学校入学前の子どもの医療費助成で、医療機関の窓口負担を減らしたり免除したりする取り組みが、新たに9道県で全市町村に広がる。窓口で減免した市区町村に対する国の「罰則」が今年度から廃止されたため。これで、2019年度までに計43都道府県の全市区町村で、患者が窓口で支払う医療費は減免される。 未就学児の医療費の自己負担割合は原則2割だが、子育て支援のため独自に助成する市町村は多い。患者の窓口負担を減免すれば利便性が増し、医療機関で受診しやすくなる。そのため医療費が増えるとして、国は窓口減免をする市町村に対し、国民健康保険(国保)の財源のうち公費負担分を減らす罰則を設定。減額幅は最大約14%で、総額は年75億円規模になる。 だが、安倍政権が重視する少子化対策に逆行するため、4月からこの罰則を廃止した。小学生以上の医療費を窓口減免した場合は罰則を維持する。 朝日新聞の調べでは、未就学児が対象の罰則
厚生労働省は9日、労働安全衛生法に基づき定められている労働安全衛生規則の一部を改正する省令を公布、施行した。ストレスチェックの実施者に厚労相が定める研修を修了した公認心理師と歯科医師を追加した。【新井哉】 ストレスチェックの実施者については、▽医師▽保健師▽厚労相が定めた研修を修了した看護師、精神保健福祉士―に限られていた。厚労省は、公認心理師法の施行などを踏まえ、一定の要件の下でストレスチェックの実施者に加えることがで...
アルコールやギャンブルなどの依存症の専門医療機関の選定作業が進んでいる。国は都道府県・政令指定都市ごとに専門医療機関を設置することを求めており、すでに医療提供体制を整えた自治体もある。その一方で、医療機関の協力を得られず、選定が思うように進まない自治体もあり、依存症の医療提供体制をめぐっては都道府県間で格差が生じつつある。【新井哉】 ■体制整えた広島県、拠点機関がHPで情報発信も 2016年5月に閣議決定された「アルコール健康障害対策推進基本計画」では、アルコールの健康障害に関する予防から治療・相談まで「切れ目のない支援体制」の整備の必要性を挙げ、アルコール依存症の治療拠点となる専門医療機関の整備を求めていた。これを受け、厚生労働省は依存症対策総合支援事業の実施要綱を策定。現在、都道府県と政令指定都市で依存症の専門医療機関とその連携拠点となる拠点機関の選定作業が進められている。 実施要綱に
医療費の抑制に向け、政府が進める在宅医療の体制整備が遅れている。全国の4分の1にあたる452市町村で医師らを派遣する中核施設がなく、人口あたりの施設数は都道府県の間で最大4倍の格差がある。入院せずに自宅で過ごす在宅医療は患者のニーズも大きい。空白を埋めるには、一般の医療機関との連携といった運用面の対策を進める必要がある。日本の医療は平均在院日数が約30日に達し、英国の7日や独仏の9~10日と大
交付された被爆者健康手帳の記載内容を、妹(右)とともに確認する平山さん=福岡市で2018年7月20日、樋口岳大撮影 福岡県が今年5~6月、男女2人の被爆者健康手帳の申請について、亡くなった親族が過去に手帳を取得した際の申請内容などを基に手帳を交付していたことが分かった。うち1人の女性は、1960年に父が自らの手帳を申請した書類には「被爆なし」と記載されていたが、県は「差別を恐れて子どもの被爆を隠していた可能性がある」などの事情を考慮して被爆者と認めた。 国は手帳申請者に対し、罹災(りさい)証明などの公的書類や「第三者2人以上の証明」などの提出を求めているが、被爆から73年となる中で申請者自身が捜し出すのは困難になっている。2人の手帳取得を支援した福岡市原爆被害者の会は、福岡県の判断を「被爆者の実態を踏まえた柔軟な対応だ」と評価している。
ハンセン病患者の隔離政策で患者家族も差別を受けたとして、療養所に入所していなかった女性(1994年に死亡)の遺族が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁松江支部(栂村(つがむら)明剛裁判長)は24日、遺族側の控訴を棄却した。1審・鳥取地裁判決は家族への差別解消を怠った責任が国にあるとしたが、同支部は「国に差別解消の法的義務はない」と判断した。 遺族は、94年に85歳で死亡した女性の五男(72)(鳥取県北栄町)。 らい予防法(96年廃止)の隔離政策を巡っては、国の責任を認めた2001年の熊本地裁判決後、国と全国原告団協議会が01、02年に基本合意書を締結。国が患者や元患者に一時金を支払うことになった。ただ、家族に関しては「差別を受けていたとまでは言えない」として救済していなかった。 1審判決は、らい予防法が「ハンセン病は強烈な伝染病という誤解を与えた」と指摘。患者の子どもへの差別の実例
保育所に通う子どもたちの使用済み紙おむつを、どう処分するか。再利用する布おむつが主流だった時代からの流れで、保護者に持ち帰りを求める施設は多いが、最近は衛生面などを考慮して、保育所側が処分する動きが広がりつつある。 ●「持ち帰りは異常」 「自転車にうんちを載せるのって異常では……」。東京都新宿区の女性会社員(39)は、どうにも疑問がぬぐえない。2歳の長女が通う認可保育所から使用済みおむつを持ち帰る日々だが、0歳児の時に通わせていた別の保育所では園側が処分していたため、転園時は驚いた。園の説明は「限られた予算を子どものために使いたい」。理解はできる。だが、帰り道に疲れてファミリーレストランへ寄った時などは落ち着かず、特に暑い季節は臭いが気になる。 仕事用のパソコンに加え、汚れた服やタオル類、週1度持ち帰るシーツや布団など、ただでさえ荷物は多い。複数の子を預ける他の親はさらに大変そうだ。便に問
都道府県が第7次医療計画や第5期障害福祉計画に「精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築」を明記し、精神障害者の地域移行を本格化させている。地域移行の中心を担うのが、医療・保健・福祉関係者による「協議の場」だ。厚生労働省によると、21道県(1月1日時点)が設置した。ただ、設置の時期などを明確にしていない自治体もあり、連携体制の構築については地域間で格差が生じる恐れもある。【新井哉】 ■20年度末までに全圏域での設置が目標 2020年度末までに全ての圏域ごとに、精神障害者地域移行・地域定着推進協議会などの「協議の場」を設置する―。第5期障害福祉計画の基本指針には、こうした目標が定められている。これを受け、障害福祉計画や医療計画に「協議の場」を設置する方針を盛り込んだ都道府県が少なくない。 都道府県ごとの設置状況はどうなっているのか。厚労省によると、▽北海道▽岩手▽宮城▽秋田▽福島▽千
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