1万例の抗精神薬の死亡リスク検討「J-CATIA研究」 日本老年精神医学会は6月23~24日に石川県金沢市で開催する「第31回日本老年精神医学会」に先立ち、6月8日に都内でプレスセミナーを開いた。同学会理事長で、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授の新井平伊氏が、「J-CATIA研究」の結果を紹介した。これは、65歳以上のアルツハイマー病における抗精神薬による死亡リスクを検討した、前方視的コホート研究としては世界初となるもの。 順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授 新井平伊氏 2005年、米食品医薬品局(FDA)と厚生労働省は、アルツハイマー型認知症に伴うBPSD(周辺症状)に対し、抗精神薬の投与を適応外とし、警告を出した。しかし、臨床現場においては、患者が激しく暴力を振るうこともあり、特に興奮性のBPSDに対しては、抗精神薬を使わざるを得ない現状がある。そこで、同学会は抗