認可保育施設などに入れなかった今年4月時点の待機児童数を毎日新聞が調査したところ、政令市など全国87市区町村で1万1342人で、前年より33%減少した。各自治体による保育施設新設などの対策が需要の拡大に追いつき、待機児童の増加に歯止めがかかったとみられる。厚生労働省の調査では、全国の待機児童数は17年まで3年連続で増加しているが、今年は減少に転じる可能性がある。ただ、増加した自治体もあり、国が掲げる「2020年度末までに待機児童ゼロ」との目標達成は見通せていない。(3面にクローズアップ) 調査は5~6月、20政令市と東京23区、17年4月時点の待機児童が100人を超えていた44市町村を対象に実施し、全自治体が回答した。認可保育施設の定員はこの1年で5万9868人分(前年比7%)増え、98万4395人分になった。待機児童数は約7割の63自治体で減少。待機児童ゼロの自治体は昨年の9自治体から大
今年4月時点の待機児童数について朝日新聞が調査したところ、前年比で3割減る一方、2019年10月から始まる幼児教育・保育の無償化で、今後「保育ニーズが増える」と答えた自治体が8割を超えることがわかった。実際、16年度から独自に無償化を先行させた兵庫県明石市では、待機児童が急増し、調査対象の自治体では全国最多に。今後、各地で問題が深刻化する可能性がある。 国の無償化を先取りした明石市だが、保護者の間には不満も残る。 「無償化しても、希望者全員が入れなくては不公平感が強まるだけ」。今年4月、長女(1)が待機児童になった同市の看護師の女性(41)は憤る。無償化で保育所に預けたい保護者が増えたが、保育所の整備が追いつかないからだ。 長女は認可園に落選。その後、必死に認可外の施設を探したが、ようやく見つけた園は保育料が希望していた認可園より高額になる。「働いても保育料がかさむ。無償化は負担増でしかな
厚生労働省は11日、昨年10月時点で認可保育施設に入れない待機児童が、全国に5万5433人いたと発表した。前年同時期より7695人多く、3年連続の増加。昨年4月(2万6081人)からは倍増した。 7695人の9割近くにあたる6798人は0歳児。昨年待機児童の定義を見直し、育児休業中でも復職の意思がある場合は数に含めたことも、増加要因となっている。 都道府県別では、東京の1万2469人が最多で、全体の約22%を占めた。神奈川4411人、埼玉4263人、沖縄3960人、大阪3922人、千葉3664人、兵庫3300人など、都市部に集中する傾向は変わらなかった。 厚労省は4月と10月時点の待機児童数を公表。4月は卒園や保育施設の新設で供給が増えるが、10月は新たに生まれた子どもや保護者の育児休業明けで需要が増え、待機児童が増える傾向がある。また、自治体によって入園の申し込み手続きが異なるため、厚労
待機児童の問題を解消していくため、厚生労働省は認可外の保育所への補助金を拡大し、認可保育所への移行を後押ししていくことになりました。 厚生労働省は待機児童の解消に向けて、認可外保育所のうち認可を目指す施設への補助金を拡大することになりました。このうち保育士を雇う人件費などについては、ことし4月から認可保育所に支給されている補助金の3分の2の金額を出すことになりました。 厚生労働省は、新年度の予算案にこれまでよりおよそ5億円多い50億円近くを盛り込み、翌2019年度には、消費税引き上げ分の一部を使ってさらに補助金を拡大し、認可保育所並みの金額を支給することも検討しています。 厚生労働省は「待機児童を解消するには、いまある施設の活用が欠かせない。認可外保育所の質を高めながら保育の受け皿を拡大させたい」としています。
平成32年度から本格実施する保育無償化の費用について、政府が私立の認可保育所は国、都道府県、市町村(東京23区含む)が2対1対1の割合で、公立の認可保育所は市町村が全額を負担する案を軸に検討していることが16日、分かった。地方自治体からは国に全額負担を求める声も出ているが、政府は子育て環境の整備に国・地方が協力して臨む体制をつくる考え。 保育無償化は、安倍晋三政権の看板政策「人づくり革命」の柱の一つ。昨年12月に決めた「政策パッケージ」では、0〜2歳の保育は住民税非課税世帯を、3〜5歳は所得を問わず認可保育所を全世帯無償化するとした。認可外をどこまで対象とするかは、今年の夏までに決める。 政府は、認可保育所の無償化に必要な費用は国と地方で分担する方針。負担割合は現行の「子ども・子育て支援新制度」を参考にする。現行制度では、認可保育所の運営費は、国が決めた公定価格から市町村が決めた利用者負担
待機児童解消に向けた緊急対策の柱だった保育士の配置基準の緩和要請について、受け入れた自治体がゼロだったことが25日、分かった。厚生労働省は2自治体あったと公表していたが、自治体側の回答ミスがあったとしている。 政府が昨年3月に打ち出した緊急対策では、1人の保育士がみる子どもの数について、国の基準(1歳児の場合6人に1人)より手厚い独自基準を持つ152自治体に国基準まで緩和するよう要請。昨年10月時点で2自治体が受け入れたと、厚労省が18日に公表した。 厚労省によると、民進党からこの2自治体について問い合わせを受けたため、改めて確認。その結果、1自治体は緊急対策前から緩和を実施していたことが分かり、もう一つは実施の予定なしと回答を修正。いずれも自治体側の回答ミスだったとしている。厚労省の担当者は「自治体は保育の質が下がる懸念を抱いていることが、改めてわかった」としている。(西村圭史)
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