第一生命経済研究所は2017年に出産を機に女性20万人が退職し、2017年は1.2兆円の経済損失が生じたとの試算をまとめた。名目国内総生産(GDP)での影響を試算した。女性の所得が減るうえに企業活動も停滞していると指摘した。出産退職せず働き続けるには保育環境の整備も効果的という。17年の出生数94.6万人を基に試算した。出生順ごとの退職率を第1子(33.9%)、第2子(9.1%)、第3子(11
子宮頸(けい)がんの原因ウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」について、日本産科婦人科学会は23日、接種の積極的な勧奨を早期に再開するよう求める声明を発表した。勧奨の中止から5年が過ぎ、国内外でワクチンの有効性と安全性を示す科学的な根拠が多く示されたとして、科学的な視点で議論するよう求めた。 記者会見で藤井知行理事長は「ほかのワクチンに比べて危険性が高いということはない。しかも、女性の命や妊娠に関わるがんを防げる。勧奨の再開については科学的に考えてほしい」と話した。 HPVワクチンは2010年11月、公費助成が始まり、13年4月に定期接種になった。だが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、厚生労働省は6月、対象者に通知を出して接種を促す「積極的な勧奨」を中止。16年には、被害を訴える人たちが国と製薬会社に損害賠償を求める集団訴訟を起こした。
健康被害の訴えが相次いで積極的な接種の呼び掛けが中止されているHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンについて、非営利組織コクラン(本部・英国)は9日、さまざまな臨床試験の評価結果として「子宮頸(けい)がんの前段階の予防効果には高い確実性がある」との見解を公表した。コクランは先行研究を中立的な立場で統合・評価して科学的根拠に基づく医療の普及を目指す国際的な学術ボランティア集団。 女性を2グループに分け、HPVワクチンと偽薬をそれぞれ接種して有効性や安全性を比較した26件の臨床試験を評価対象とした。
『貧困の戦後史 ─貧困の「かたち」はどう変わったのか』(岩田正美/筑摩書房) 現代日本において、行政やメディアなどさまざまなレベルで議論をよんでいるトピックのひとつが“貧困”だろう。近年をざっとふりかえっても、ネットカフェ難民、高齢者の貧困、女性の貧困、子どもの貧困など“貧困”にまつわる数多くのキーワードが注目されてきた。『貧困の戦後史 ─貧困の「かたち」はどう変わったのか』(岩田正美/筑摩書房)は、戦後から現在にいたるまでの、日本の貧困史をまとめあげた一冊だ。 本書の特色は、時代ごとに貧困の「かたち」がどう変容したかを丹念に描いている点だ。貧困というと一般的に、所得や消費、失業など一貫した指標を用い、その増減を経時的に測るものというイメージがあるかもしれない。しかし著者は、所得や消費の多寡、職の有無だけではとらえきれない貧困が存在するという。 たとえば終戦直後、貧困は“食べるものがない”
日本において、年間約2900人の女性の命と1万人の子宮を傷つけ奪う子宮頸がん。 「マザーキラー」の異名を持つこの病気は、少子化に悩む日本にとって忌むべき敵です。 しかし喜ばしいことに、この子宮頸がんはワクチンで防げる数少ないがん。 そこで、厚労省は2013年からワクチンを定期接種(接種すべきとして、国と地方公共団体が費用を負担してくれるワクチン)にしました。 が、副反応を訴える人たちが出てきたこと、メディアもそれに乗っかり薬害として報道したことで、たった2ヶ月で厚労省からの積極的な推奨(接種年齢の人がいる世帯にワクチン接種の予診票など書類が送付され、接種を促すこと)は中止に。 そして7割近くあった接種率は1%以下にまで落ち込んでしまったのです。 しかし、その後に様々な研究から、HPVワクチンと副反応との関連性に疑義が発表されました。 その一つが、「名古屋スタディ」です。 名古屋スタディは我
子宮頸(けい)がん予防のHPVワクチンを巡り、厚生労働省が改訂を進めている医療従事者向けの説明資料の内容に、副作用被害を訴える患者らの間で異論が出ている。副作用の報告例から、記憶障害や学習障害といった認知機能に関する記載がなくなったためだ。認知機能の低下は、国の救済制度で補償されたケースの約半数で確認されている。当事者は「多くの人が苦しんでいる症状を『ない』ことにしないで」と訴える。【清水健二】 同ワクチンは、副作用報告の多発による接種呼び掛けの中断から4年半がたつ。厚労省は国民への情報提供を強化する観点から、接種を受ける本人、保護者、医療者向けのリーフレットの更新を決め、昨年12月の有識者検討部会に改訂案を示した。
■雇用、少子化対策など施策検討 新たな雇用形態による女性やシニア層の就労機会の拡大などを目的に、東村山市と総合人材サービスのパーソルテンプスタッフが、包括連携協定を結んだ。近く両者で共同研究を始め、雇用問題にとどまらず、創業支援、少子化対策といった幅広い分野で連携施策を検討し、可能なものは平成30年度中に事業化する。自治体が、こうした包括協定を総合人材サービス会社と結ぶのは初めてとみられ、渡部尚(たかし)市長は「住んで楽しく、働いても楽しい町づくりにつなげたい」と期待を表明している。 協定の正式名称は「相互の持続可能な経営を共同研究し東村山創生を加速化させるための包括連携協定」。人口減少社会を見据えて、市内で雇用を創出することで定住人口増を目指す東村山市と、都心近郊で労働力の確保を急ぐパーソルの狙いが合致し、「双方にメリットがあるウィン・ウィン(Win・Win)の関係を築くことができた」(
乳がん患者の乳房摘出を回避する治療に道を開く新薬が、徳島大の片桐豊雅教授(ゲノム制御学)らのグループによって開発されたことが11日、分かった。13日から福岡市で開催される日本乳癌学会学術総会で発表される。 今回の研究は、日本で最も症例が多い「エストロゲン依存性乳がん」が対象。初期の場合、手術後の再発や転移を防ぐためにホルモン剤が投与されることが多い。現行のホルモン剤は投与期間が5〜10年と長いうえ、その間に薬剤耐性ができたり、副作用が生じたりすることもあった。 片桐氏らは平成22〜28年、乳がん細胞を移植したマウスにタンパク質の一種、ペプチドから作った新薬「ERAP」を投与。週1回、1カ月間投与を続けた結果、がん抑制遺伝子「PHB2」が本来持つブレーキ機能を発揮してエストロゲンの経路を止め、がん細胞の増殖を抑えることを突き止めた。さらに、新薬の分子を化学合成でつなぎ合わせて効能を持続させる
梅毒の感染拡大が止まらない。今年の患者報告数は2000人を超えており、感染症法に基づく調査が始まった1999年以降で最も多かった昨年を上回るペースで増えている。こうした状況を改善するため、厚生労働省は性感染症の予防指針を改正する。感染拡大の一因とみられている「女性の報告数の増加」を予防指針に明記し、若年層を含めて広く国民に啓発する方針だ。【新井哉】 国立感染症研究所によると、梅毒の今年の患者報告数(4日時点)は、前年同期と比べて約1.3倍の2096人となっている。都道府県別では、東京が684人で最も多く、以下は大阪(271人)、神奈川(123人)、愛知(101人)、福岡(100人)...
妊娠中にパートナーから言葉の暴力などの心理的ドメスティックバイオレンス(DV)を受けると、子どもが生まれた後に「産後うつ病」になる可能性が約5倍に高まるとの調査結果を、藤原武男・東京医科歯科大教授(公衆衛生学)らがまとめた。身体的DVの場合は、約7倍まで高まっていた。産後うつの原因にかなりの割合でDVが関係していると認識してケアに当たることが大切という。欧州の専門誌に論文が今月掲載された。 産後うつは、出産から数カ月の間に、気分が落ち込み、不眠、食欲不振などの身体症状が出る。約10人に1人が経験するとされ、重症になると自殺や子どもの虐待に発展する恐れがあるため、今月から産後2週間と1カ月の母親健診に国と自治体が費用を助成する制度が始まった。
ここまで分かった遺伝性乳がん 遺伝性乳がんについて語る中村清吾教授=2017年1月15日、東京都中央区の国立がん研究センター【時事通信社】 若い女性が乳がんを発症すると、治療だけでなくその後の妊娠や出産、授乳などにも多くの不安や苦悩を抱える。医療の現状と課題を学び、当事者らが体験を共有する「Pink Ring(ピンクリング)サミット2017」が、東京都中央区の国立がん研究センターで開かれた。若年性乳がんの患者や研究を支援する団体「Pink Ring」の主催で、今回が7回目。遺伝と発症・発見の関係、妊娠・出産のリスクと治療法などをテーマに講演や交流会が行われた。(時事ドットコム編集部) ◇ ◇ ◇ 第1部では、昭和大学病院乳腺外科教授で日本乳癌学会理事長の中村清吾さんが「若年性乳がん、遺伝性乳がんについて」と題して講演した。 乳がんと診断される人は年間9万人。この30年で4倍以上
結婚や出産・育児などを機に仕事を辞めた女性の再就職を後押しするため、政府は学び直しの支援策の拡充に乗り出す。離職した女性が職業教育を受けることで、企業が正社員として採用しやすくする効果を狙う。16日に開く働き方改革実現会議で方針を打ち出す。 主に大学が開設する「リカレント教育」と呼ばれる課程を受講しやすくする。仕事を辞めてブランクがある人が、英語やITなど仕事に必要な技能の実習や職業体験などができる課程もあり、女性を中心に再就職を目指す人の受講が目立つ。 日本女子大や関西学院大大学院などが開設する課程が現在、雇用保険を財源とする「教育訓練給付金」の対象になっている。受講料の40%を支給し、修了後1年以内に再就職すれば、さらに20%を追加支給する仕組みだ。ただ、多くの講座は6カ月~2年の受講期間が必要で、子育て中の女性から「2~3カ月程度のコースなら受講したい」という要望が強いという。短期の
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