低所得世帯の高等教育無償化の制度設計を議論する文部科学省の専門家会議は14日、授業料の減免額や対象者の範囲などに関する報告をまとめた。住民税非課税世帯の子供が私立大に進学した場合、70万円までを目安に授業料を支援。施設設備費といった、授業料以外に学校でかかる費用を給付型奨学金の対象とすることも盛り込んだ。政府は15日にも閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に報告の内容を反映させ、2
■何のための団体なのか ここで考えなければいけないのは、「そもそもPTAというものは、何のためにあるのか?」ということだろう。 PTAは、会員家庭の子どもにサービスするために存在するのか? 違うはずだ。PTAが学校で活動しているのは、その学校に通う子どもみんなのために存在するからだろう。 たとえばもし、会員数が17世帯の「おやじの会」が、卒業式のとき会員家庭の子どもにだけプレゼントを配ったら、どう思うだろうか? 「学校でやるな(家でやってくれ)」と思うのが、一般的な反応だろう。特定の団体が、学校内で、会員家庭限定サービスを行うのはおかしい。 なのになぜ、それがPTAだと、会員限定サービスが認められてしまうのか? おそらくそれは単に、PTAが「ずっと全員加入だったから」だろう。 多くの保護者の頭のなかには、「PTAは全家庭が入るもの」という昔からのイメージが刷り込まれている。そのため「PTA
会議による成果報告を行う丹羽文科副大臣(右)と高木厚労副大臣文科・厚労両省の合同による「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト会議」は3月29日、第3回会合を文科省で開催し、同プロジェクトの報告を取りまとめた。教委と福祉部局、学校と障害児通所支援事業所などとの連携強化を図り、障害福祉サービスを利用する児童生徒や保護者の効果的な支援につなげる。 同会議ではこれまでに、教委と福祉部局が連携して、障害児と保護者へのサポート体制を構築している自治体や、障害者団体、放課後デイサービスなどを提供している団体などからヒアリングを行い、連携する上での課題や具体的な方策を検討してきた。 学校と放課後デイサービス事業所との間で、活動内容や担当者との連絡先が共有されていないなど、円滑なコミュニケーションが図られていない実態や、保護者にとっては、乳幼児期、学齢期、社会参加の各段階で相談窓口が分散して
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 公益社
子育てに関する福祉施策の情報を保護者に確実に届けようと、東京都が3月末までに公立小学校の保護者向けに、生活困窮世帯が受けられる支援策など福祉の窓口につながる情報を盛り込んだ冊子を配布することが23日、分かった。福祉行政と教育現場が縦割り行政の壁を超えて連携する、ありそうでなかった取り組みといえ、今後の推移が注目される。 都によると、平成28年度に実施した調査で、一人親世帯の保護者のうち、6・4%が申請さえすれば受けられる「児童育成手当」を「知らない」と回答。一定所得以下の世帯に塾費用や受験料を無利子で貸し付ける制度についても、全世帯の31・1%に知られておらず、都が豊富に用意する福祉施策の認知度の低さが浮き彫りになった。 一方で、小中学校、高校の保護者の8割以上が「学校からのお便り」で子供に関する施策の情報を受け取っていることも判明。学校を、福祉情報を提供するプラットホーム(基盤)とし、必
居場所開設を決めた市長も集まった日本財団は7月5日、東京都港区の同財団ビルで記者会見を開き、子供の健全育成を見据えた「家でも学校でもない第三の居場所」を平成32年までに全国に100拠点設けるとの目標を発表した。笹川陽平会長は「多様な世代が集う場で子供の生きる力を地域ぐるみで育てたい」などとあいさつ。今夏以降に開設を決めている大阪府箕面市など5市の市長も集まった。 同居場所の開設は、子供の貧困や地域と大人の教育力低下などを背景に、同財団と自治体、関係団体などが連携して進めている。子供が家庭の経済事情などに左右されず、自立と生きる力を高められるよう「社会的相続」の補完を視野に入れた地域の多様な大人と子供が関わり合う場の創出を目指す。 笹川会長は「日本ではかつて『子供は国の宝』という言葉で、大人たちが自分の子も他人の子も大切に育てていく状況があった。現在の社会変化や核家族化の中で、わが子だけへの
経済産業省内で20~30代の若手が構成している「次官・若手プロジェクト」はこのほど、「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」を公表。資料では、「子どもや教育への投資を財政における最優先課題に」と問いかけている。 同プロジェクトは、国内外の社会構造の変化を把握するとともに、中長期的な政策の軸となる考え方を検討し、世の中に広く問いかけることを目指すもの。「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」では、「液状化する社会と不安な個人」「政府は個人の人生の選択を支えられているか?」「我々はどうすれば良いか」の3点について分析し、問いかけを行っている。 このうち、子どもを取り巻く環境については、「母子家庭の貧困、子どもの貧困をどこかで『自己責任』と断じていないか」と指摘。母子世帯の過半数が貧困で、世界と比較すると日本だけ突出して高いことをO
子どもの貧困対策として、大阪府が今夏から困窮家庭を早期に支援するモデル事業を同府門真市で始める。府の調査では、支援が必要な家庭の把握が難しく、公的支援が行き渡っていない実態がわかった。モデル事業では、中学校区ごとに元教員らの「応援チーム」を立ち上げ、学校や福祉団体と連携し、支援が必要な子どもを漏らさず支える仕組みづくりを目指す。 府が門真市に委託して始めるモデル事業(予算額1235万円)では、元教員らでつくる「子どもの未来応援チーム」を設置する。市内に六つある中学校区をそれぞれ1~2人が担当。住民や学校、福祉団体との連絡役となり、寄せられた情報をもとに家庭を訪問して相談に乗ったり、支援制度を紹介したりする。 また、応援チームが中心となり、中学校区ごとに学識経験者や社会福祉協議会、小中学校の担当者らの関係者会議を毎月開くことも計画。地域のボランティアや子ども食堂などの支援団体とも連携し、定期
入学を前にランドセルを背負う前田結大君=横浜市内で2017年2月16日午後3時47分、宇多川はるか撮影 気管を切開し、たんの吸引が必要な横浜市の幼稚園児、前田結大(ゆうだい)君(6)が今年4月、地域の小学校に親の付き添いなしで通学できることになった。結大君親子の要望を受け、横浜市が公立小学校に通う医療的な介助が必要な児童(医療的ケア児)のための看護師配置を、初めて決めた。 結大君は声帯まひで気道が狭まる「気道狭さく」の状態で生まれ、生後すぐに気管切開した。以後、喉に取り付けた管からたんを吸引する医療的ケアが欠かせない。 たんの吸引以外に障壁はなく、兄や友達が通う地域の小学校への入学を望んだが、市は「親が付き添うか、特別支援学校に入学するか」という選択肢を提示。母直美さん(43)ら家族は「付き添いなしで、のびのびと学校生活を送ってほしい」と願い、約2年前から看護師の配置を求めてきた。
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