厚生労働省は児童養護施設を退所して進学・就職する若者を税制面で支援する方針だ。生活費や家賃の貸付金は5年間働き続けると免除になるが、一部は免除益とみなして所得税がかかる。2019年度の税制改正で、非課税措置の創設を要望する。施設退所後の経済的負担をできるだけ軽減し、若者の自立を促す。国は児童養護施設に通っていた子どもの経済的負担を軽くするため、退所して進学した場合、月5万円の生活費や家賃などを
今年4月時点の待機児童数について朝日新聞が調査したところ、前年比で3割減る一方、2019年10月から始まる幼児教育・保育の無償化で、今後「保育ニーズが増える」と答えた自治体が8割を超えることがわかった。実際、16年度から独自に無償化を先行させた兵庫県明石市では、待機児童が急増し、調査対象の自治体では全国最多に。今後、各地で問題が深刻化する可能性がある。 国の無償化を先取りした明石市だが、保護者の間には不満も残る。 「無償化しても、希望者全員が入れなくては不公平感が強まるだけ」。今年4月、長女(1)が待機児童になった同市の看護師の女性(41)は憤る。無償化で保育所に預けたい保護者が増えたが、保育所の整備が追いつかないからだ。 長女は認可園に落選。その後、必死に認可外の施設を探したが、ようやく見つけた園は保育料が希望していた認可園より高額になる。「働いても保育料がかさむ。無償化は負担増でしかな
欧米で承認されているが国内では未承認の抗がん剤がのべ65種類あり、薬剤費がわかっているうちの約8割、45種の1カ月の薬剤費は100万円を超えることが、国立がん研究センターの調べで分かった。うち3種は月額1千万円を超す。新たなタイプの抗がん剤開発が進み、価格が高騰している現状が浮かんだ。 集計は4月4日時点。米国での平均的な価格に基づき、1ドル100円で計算した。領域別で最も未承認薬が多かったのは、リンパ腫などの血液がんで30種類。次いで泌尿器11種、乳腺5種、皮膚4種だった。 65種の中には、薬剤費が判明していない7種が含まれる。わかっている58種の78%にあたる45種の月額の薬剤費は100万円を超していた。65種には欧米で承認や申請が取り下げられたり不承認になったりした薬も5種含まれる。41種は2015年以降に承認された比較的新しい薬だった。 最も高額な薬は、米国で2017年8月に承認さ
平成31年10月に予定する消費税率10%への増税時の景気対策として、政府が予定している低年金者に配る「年金生活者支援給付金」や介護保険料の軽減拡大の実施を前倒しする検討に着手したことが19日、分かった。消費税は所得や年金が低い人ほど負担が重くなる。増税前の対策実施で低年金者に安心感を与え、景気への悪影響を防ぐ。 年金生活者支援給付金は、年金を受給している低所得の高齢者や障害者を対象に最大月5千円(年6万円)を恒久的に支給。対象は約790万人で、年金収入を含む年間所得が77万円以下の500万人には月5千円を配る。 65歳以上が納める介護保険料の軽減拡大では、所得の低い高齢者の負担軽減を強化し、対象を世帯全員が市町村民税非課税の高齢者全体に拡大する。軽減対象は65歳以上の約2割から約3割に当たる約1130万人まで広がる見通し。現在は非課税世帯で本人の年金収入などが80万円以下の人などの保険料負
自然豊かな国が上位にランクイン 「統計情報サイトUSニュースによる2018年の「余生を快適に暮らせる国・地域ランキング」が発表され、日本は42位に選ばれた。トップ3はニュージーランド、オーストラリア、スイスで、上位国は広大な自然と生活の質の高さが高評価につながった。 アジア圏ではタイ、フィリピン、マレーシアと東南アジアが人気だが、物価の手頃さが最大の利点になっており、安全性などが含まれる暮らしやすさの評価は極めて低い。 どういった点が余生を過ごすのに快適と判断されたのか、詳しくみてみよう。 ランキングの結果は ランキングは、世界の消費者2.1万人を対象に実施したアンケート結果から、45歳以上の高所得層の回答者が老後の生活に優しいと高く評価した国・地域を順位付けしたもの。 評価基準 は、7つの項目(気候・生活費・税制・保険制度・親しみやすさ・財産権・住みたいと思える国か)に焦点を当てている。
総務省行政評価局は13日、国民健康保険に加入する70~74歳の人に対し、保険証とは別に「高齢受給者証」を配っている自治体が多いとして、1枚にまとめる取り組みを進めるよう、厚生労働省に要請した。国保の加入者はクレジットカードサイズの保険証が交付される。70~74歳は所得に応じて窓口負担が現役時代より軽減されるため、市区町村は負担割合を表示した高齢受給者証を配布。はがき大、カードサイズの2種類があ
[東京 13日 ロイター] - 今年の春闘は、政府が3%賃上げに期待感を示し労働側には「追い風」が吹いているようにみえる。だが、長時間労働規制に伴う残業代減少は若い世代を中心に年間4兆円超の所得減に上り、最近の物価上昇や社会保障負担の増加も重くのしかかる。この負担感を払拭するには、ベースアップと定期昇給、ボーナス・手当も含め最低でも2.5%以上の賃上げに必要だとの見方が、政府内や民間エコノミストから出ている。 3月13日、今年の春闘は、政府が3%賃上げに期待感を示し労働側には「追い風」が吹いているようにみえる。だが、長時間労働規制に伴う残業代減少は若い世代を中心に年間4兆円超の所得減に上り、最近の物価上昇や社会保障負担の増加も重くのしかかる。写真は都内で2014年4月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai) <政府も注目する自動車の動向> 労使交渉は3月14日の集中回答日を控えて
情報連携の試行スタート=住民票、秋から提出不要に-マイナンバー 国や地方自治体などが所有する個人情報を社会保障と税の共通番号(マイナンバー)で結び付ける「情報連携」の試行が18日から始まった。3カ月程度を経て秋から本格運用に移行する予定で、住民が児童扶養手当のような社会保障関連給付を自治体に申請する際、住民票の写しや課税証明書といった書類を提出する必要がなくなる。 マイナンバーの個人向けサイト「マイナポータル」の試行も18日からスタートし、行政機関同士が自分の情報についてやりとりした履歴を閲覧できるようになった。これも秋から本格運用する予定で、認可保育施設への入所申請といった子育て関連サービスがスマートフォンで申し込めるようになる。(2017/07/18-05:26) 関連ニュース 【経済記事一覧へ】 【アクセスランキング】
『下流老人』などのベストセラーで知られる藤田孝典さん(NPO法人ほっとプラス代表理事)をゲストに、貧困問題について考える講演会(主催・NPO法人ヒューマンライツ・ナウ)が9月29日、東京・文京区で開かれた。藤田さんは『下流老人』出版後、ほかの支援団体の関係者から言われたある言葉を引き合いに、「分断」されずに社会問題に取り組むためには何が必要かを語った。 「下流老人」は高齢者の貧困問題を捉えた藤田さんの造語で、具体的には「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびそのおそれがある高齢者」を指す。下流老人は700万人ほどいるとみられ、今後も増えると予想されている。 貧困にあえいでいるのは高齢者だけではない。藤田さんは2016年3月、今度は若者の貧困を描いた『貧困世代』を出版。NPOでの支援事例をあげながら、ブラックバイトや奨学金の返済などの問題を改めて提起した。 藤田さんは「貧困の問題は全世代に広が
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