新型インフルエンザで死亡した27カ国の574人を分析した結果、妊娠とメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は死亡するリスクを高める恐れが確認された。仏公衆衛生研究所のチームが20日付の欧州科学誌ユーロサーベイランス電子版に発表した。 世界保健機関(WHO)や各国保健省などが公式発表した、新型インフルによる死者は7月16日段階で684人。そのうち患者情報がある574人を分析した。 もとの健康状態がわかる死者241人の9割で持病があった。持病のある人の比率を年齢別にみると、0〜9歳は7割、20〜29歳は8割にとどまった。 持病でもっとも多いのが、肥満や糖尿病を含めたメタボ(3割弱)だった。60歳以上の持病では心臓や呼吸器疾患が多かった。季節性インフルや過去のパンデミック(世界的大流行)の経験では、メタボはリスクとはされていなかった。 研究チームは、「メタボに多い肥満が治療効果を低め
【ワシントン=勝田敏彦】チリ保健省は21日、新型の豚インフルエンザウイルスが七面鳥から見つかったと発表した。新型ウイルスの感染が人間と豚以外から見つかった初めての報告例。チリ当局は「このウイルスはすでに人・人感染を起こしている」と国民に平静を呼びかけた。 首都サンティアゴから西へ約100キロ離れたパルパレイゾ州の二つの家きん施設で七面鳥の産卵数が異常に減ったため、施設が13日、チリ当局に通報。検査の結果、感染が判明。チリ当局は「七面鳥の肉は安全」としている。 新型インフルエンザウイルスの遺伝子が、鳥インフルエンザウイルスの遺伝子と混じり、毒性が高くなることが心配されている。しかし、ロイター通信によると、検査の結果、七面鳥は鳥インフルには感染していなかったことが確認されたという。 チリでは、19日現在で新型ウイルス感染者128人が死亡している。
国立感染症研究所は21日、全国約5千の医療機関の定点調査で、最新の1週間(8月10日〜16日)の1施設あたりの患者数が1.69人(報告患者数7750人)となり、流行開始の目安となる「1人」を超えたと発表した。全国で受診した患者はこの1週間で約11万人と推計している。 都道府県別で報告が多いのは、沖縄県(29.60人)、奈良県(2.96人)、滋賀県(2.48人)、福島県(2.45人)、東京都(2.14人)、大阪府(2.14人)、茨城県(2.11人)、高知県(2.10人)、埼玉県(1.91人)、長野県(1.83人)など。季節性が混ざっている可能性もあるが、ほとんどは新型インフルとみられる。 前週(8月3日〜9日)は0.99人(報告患者数4630人)で、舛添厚生労働相は19日、流行期に入ったと宣言している。
基礎疾患がない長野県千曲市の30代の女性が新型インフルエンザに感染し、重症になったことがわかった。 県健康づくり支援課によると、女性は肺炎を併発しており、19日から集中治療室で人工呼吸器を装着して治療を受けている。21日時点で体温は37度台で、症状は改善してきているという。 女性は新型インフルの集団発生があった長野市内の障害者施設の利用者だった。13日に発症し、17日に症状が重くなって入院したという。
名古屋市は19日、新型インフルエンザに感染した名古屋市の80歳代の女性が同日、入院先の病院で死亡したと発表した。国内で新型インフルエンザ感染者の死者は、沖縄県、神戸市に次いで3人目。女性は多発性骨髄腫、心不全の病気を持っていた。重症肺炎を起こしたのが死因。市では、新型インフルエンザが肺炎を引き起こしたとみている。 市によると、女性は13日に39度5分の熱が出て、救急外来を受診。15日にせきが激しくなるなど症状が悪化して個室に移動した。17日に簡易検査でA型インフルエンザと判明。18日にPCR検査(遺伝子検査)をしたところ、新型インフルに感染していたことが判明、19日午前1時半、死亡した。 女性に海外渡航歴は無い。女性の入院先の病院では女性のほか、入院患者2人、治療にあたった研修医1人、看護師3人の計6人が新型インフルに感染した疑いがある。女性は発症前は市内の介護施設に入居していたが、同
「沖縄で感染が突出」「感染者はすでに5万人」――。“第二波”の到来が指摘される新型インフルエンザを巡っては、様々な報道が独り歩きしている。厚労省医系技官の木村盛世・医師は、いずれの推計も根拠は薄弱であり、そもそも今の政府のやり方では感染実態の把握は不可能と警鐘を鳴らす。 ―新型インフルエンザの感染が拡大している。7月24日現在の患者数は4986人、舛添・厚生労働相は「感染者は5万人に上ると推計される」と発言した。 5万人という推計根拠が、まったくわからない。というよりも、推計するための基礎データを厚労省は持っていないはずだ。 ―どういうことか。 政府の今の調査方法は、クラスター・サーベイランスだ。患者が発生した小集団を集中的に調べるやり方だ。これは感染症の発生初期段階に感染拡大の芽を摘むための方法であり、全国に広がる感染者を推計する基礎データを得る調査ではない。基礎データ獲得には、
インフルエンザの感染者が全国的に急増していることが、国立感染症研究所感染症情報センターが18日に発表した調査結果で明らかになった。全国約5千カ所の医療機関からの報告では、最新の1週間(8月3〜9日)に受診した1医療機関あたりの患者数は0.99人で、5週連続の増加。「流行開始」の目安の「1人」に近づいた。 季節性インフルも交ざっている可能性はあるが、多くは新型インフルとみられる。過去10年で最も流行の立ち上がりが早いとされた07年のシーズンでも、「1人」を超えたのは11月下旬の週だった。 都道府県別にみると、1医療機関あたりの患者数は、15日に50代の男性の死亡例が報告された沖縄県が20.36人(前週11.79人)で突出。ほかに、奈良県(1.85人)、大阪府(1.80人)、東京都(1.68人)、長崎県(1.50人)、長野県(1.44人)で「1人」を超えた。
新型の豚インフルエンザに感染した子どもで、これまでに7人がインフルエンザ脳症になり、2人が重症の肺炎(ARDS)になったことがわかった。18日に開かれた厚生労働省のインフルエンザ脳症研究班で報告された。 脳症になったのは1〜11歳の小児。ARDSは福島県に帰省中の小学生と、東日本の小児。今も重篤な状態が続いている子どももいるという。 研究班代表の森島恒雄・岡山大教授は「季節性インフルエンザでは、ARDSが起きる頻度はあまり高くない。新型インフルウイルスは、動物実験で指摘されていたように肺で増殖しやすいのかもしれない」と言う。(大岩ゆり)
神戸市は18日、新型の豚インフルエンザに感染した同市垂水区の男性(77)が同日早朝に入院先の病院で死亡した、と発表した。国内で新型インフルエンザ感染者の死者は、沖縄県の患者に次いで2人目。男性は糖尿病による腎不全で人工透析の治療を受けていた。急性気管支炎を起こし、持病の肺気腫が悪化したのが直接の死因。市は、新型インフルエンザが急性気管支炎を発症させた可能性があるとみている。 市によると、男性は16日に38度の熱が出て、翌17日にかかりつけの市内の医療機関を受診。簡易検査では陰性だったが、せきなどの症状が重いため、午後1時ごろに別の市内の病院に入院。改めて簡易検査をしたところインフルエンザウイルスの陽性反応が出た。治療薬タミフルの処方を受けたが、翌18日早朝に容体が急変し、死亡した。 市が男性から採取した検体をPCR検査(遺伝子検査)したところ、同日午後に新型インフルエンザに感染していた
【カイロ=加藤賢治】新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の影響で、サウジアラビアのイスラム教の聖地メッカへの巡礼(ハッジ)を自粛、制限する動きが広がっている。 イスラム諸国の中には、巡礼中の感染拡大を警戒し、巡礼規制に踏み出す国も出るなど、異例の対応を迫られている。 「今年の巡礼希望者は大幅減だ。給料がもらえるか、心配だよ」 カイロの大手旅行社「エジトラブ」のハッジ担当者は困り果てていた。同社は昨年、約250人のハッジ参加者を取り扱ったが、今年の参加確定者はわずか5人。予約は100人いるものの、キャンセルが相次いでいるというのだ。 豚を不浄と見なすイスラム教徒には感染への嫌悪感が強く、ハッジを見合わせる人が続出している。「エジプト観光連盟」によると、旅行社の収入の約6割はハッジ関連のため、巡礼者の大幅な減少は大きな打撃だ。 昨年はハッジに約240万人が参加、今年は11月下旬に行われる。サ
沖縄県は15日、新型インフルエンザに感染した沖縄本島中部の50歳代の男性が同日未明、入院先の病院で死亡したことを明らかにした。
関東地方から福島県内に帰省中に肺炎と診断された小学生男児が新型インフルエンザに感染していることが確認されたと、同県が13日、発表した。男児は重症で自分で呼吸できず、人工呼吸器を装着して治療中という。新型インフルに感染した場合にリスクが高くなるぜんそくなどの持病があるかは不明。 県医療看護課によると、男児は9日、家族と一緒に県内に帰省。11日午後に発熱し、インフルエンザの簡易検査を受けたが陰性だった。再び発熱したため別の医療機関を受診して肺炎と診断され、同日夜にそのまま入院した。 12日に詳しい検査で新型インフルエンザへの感染が判明。同日夜、呼吸が困難になるなど症状が悪化したため、人工呼吸器を使った治療を開始した。
アリアス・コスタリカ大統領=ロイター 【ロサンゼルス=堀内隆】中米コスタリカの大統領府は11日、同国のアリアス大統領(68)が新型インフルエンザにかかり、首都サンホセの私邸に隔離されたと発表した。コスタリカのメディアが伝えた。症状は軽く、17日まで私邸で執務を続けるという。アリアス氏は9日に頭痛や発熱を訴え、翌日に検査を受けて感染が分かった。 アリアス氏は、紛争が続いた中米の和平に貢献したとして87年にノーベル平和賞を受けている。 コスタリカでは28人が新型インフルで死亡している。アリアス氏がどこで感染したかはわかっていない。
【ワシントン=勝田敏彦】米疾病対策センター(CDC)は6日付の週報に、新型の豚インフルエンザウイルス感染を調べる簡易検査では、本来、陽性と判定されるべき検体のうち6割を陰性と判断してしまう場合があるとする実験結果を掲載した。 簡易検査で陰性と判定されると、詳しい遺伝子検査(PCR検査)は行われないことが多いため、かなりの感染者が見逃される可能性がある。 CDCは今年4〜5月に患者から採取され、PCR検査で新型ウイルス感染がわかった45人分の検体を、市販の簡易検査キット3種類を使って判定した。 その結果、新型ウイルス感染を見逃すケースが31〜60%に上った。特にウイルス量が少ない検体では精度が低かった。一方、季節性ウイルス感染がわかっている20人分の検体を使った同じ実験では、見逃しは17〜40%だった。 日本では、少なくともこれらのうち2種類を含む16種類の簡易検査キットが使用されて
夏休みに入り、サマーキャンプや部活動の合宿などで、新型の豚インフルエンザに集団感染する例が続いている。学校に代わり、若者が集まる行事をきっかけに、広がっている形だ。夏本番で行事は増える一方、感染の広がりはおさまらず20代までの感染者は全体の8割を占め、専門家は注意を呼びかけている。 川崎市では先月末、市が主催するぜんそくの小学4〜6年生を対象にしたサマーキャンプで集団感染があった。ボランティアの大学生スタッフが発症、その後11人の小学生の感染が分かった。 3泊4日の日程で八ケ岳を訪問。体を鍛え、友人をつくることを目的にしていたが、最終日のプログラムはほとんど中止になったという。 ぜんそくは新型インフルで重症化しやすいとされる。市の担当者は「いまのところ重症例はなく軽快している」と話す。 10人の生徒の感染が確認された千葉県の私立高校。症状のある人も含めると57人にのぼり、うち49人
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