安倍氏提唱の「自由で開かれたインド太平洋」構想は、米国の政策にも影響を及ぼした/Shizuo Kambayashi/AP 韓国・ソウル(CNN) アジア太平洋地域の多くの人々にとって、安倍晋三元首相は先見の明のある人物だった。台頭する中国を課題ととらえ、米国主導の政治・軍事同盟システムにもたらす影響について認識していたからだ。 今月8日、暗殺者の銃弾で殺害された安倍氏は生前、西側の同時代人の誰よりも多くのことに取り組み、その課題に対応してきたと言っていい。 首相の連続在任期間は歴代最長。多くの人々は、安倍氏の主導によりようやく日本が第2次世界大戦の影を脱することができたと記憶するだろう。 同氏は中国人民解放軍の急速な拡大を予見していた。世界最速レベルの経済成長に支えられた同軍が、地域の力の均衡を乱すだろうと見抜いていた。そして日本は、こうした変化の結果、戦後米国から与えられた平和的な憲法に
米上院は20日、銃撃されて死去した安倍晋三元首相をたたえる決議案を全会一致で採択した。安倍氏を「一流の政治家で民主主義の価値の擁護者」と評価し、「日本の政治、経済、社会、そして世界の繁栄と安全保障に消し去ることのできない足跡を残した」とした。 決議は前駐日大使のハガティ上院議員ら70人近い議員が13日に共同提出。安倍氏が「自由で開かれたインド太平洋」の考え方を広めたことに触れた上で、現在の日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」の基礎となる構想を推進したと強調した。米大統領とともに日米同盟を強化し、北朝鮮の非核化や日本人拉致問題の解決にも精力的に取り組んだと指摘した。 「米国は偉大な友人を失った」としながらも「そのリーダーシップにより、日米が世界中で自由、繁栄、安全を促進し、専制主義や独裁政治に対抗するため今後数十年にわたって協力する基盤が築かれた」と締めくくった。(共同)
日仏外務・防衛担当閣僚協議でフランスのルドリアン外相(画面左上)、パルリ国防相(同右上)とのオンライン会議に臨む岸信夫防衛相(右)と林芳正外相=外務省で2022年1月20日午後9時35分、手塚耕一郎撮影 米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」創設に伴う潜水艦共同開発計画の破棄を巡る問題で、フランス外務省は22日に発表した「インド太平洋戦略」の改定版で、オーストラリアをインド太平洋戦略上の「パートナー国」から、その他の2国間パートナー国に格下げした。一方、豪州に代わり、日本をインドに次ぐ戦略上のパートナー国として明記した。 今年前半の欧州連合(EU)の議長国を務めるフランスは22日、EUとインド太平洋地域との関係強化を目指す閣僚会合をパリで開催した。会合に合わせ、2018年に発表した自国のインド太平洋戦略を改定した。改定版によると、豪州とはAUKUSを巡る問題が生じたとし、今後は「
米国務省のジュリー・チャン日本部長は18日、慰安婦問題を巡り対立する日韓両国に対し「相互に信頼し合い、和解できるような前向き志向の解決策を模索するよう促している」と述べた。対日貿易赤字解消がトランプ政権の主要な優先課題だとし「米国は日本からのさらなる投資と雇用増加を求めている」と訴えた。 ワシントンのシンポジウムで語った。昨年8月の就任以降、チャン氏が公の場で米政府の立場を説明するのは初めて。チャン氏は対日貿易赤字が700億ドル(約7兆8千億円)に上っていると指摘し「米国は日本と公平で自由な、互恵的な貿易関係を求めている」と強調。政権の「自由で開かれたインド太平洋戦略」の一環として日米連携で第三国へのインフラ投資を進める考えも示した。 安全保障面の課題には中国とロシアの台頭を挙げ「今年は日米共同訓練がさらに増加し、海洋安全保障面での技術移転が進むだろう」との見通しを示した。(共同)
10日、ベトナム中部のリゾート地、ダナン。初めてアジアを歴訪したトランプ米大統領の演説を各国の閣僚や企業経営者らが固唾(かたず)をのんで見守っていた。トランプ氏が、初のアジア戦略を打ち出す予定だったからだ。 「インド太平洋のすべての国家が繁栄と安全保障の促進のために力を合わせる新たな協力関係を提案する」。トランプ氏はこう強調し「自由で開かれたインド太平洋」構想を披露した。 このインドを巻き込んだアジア戦略は元々、日本政府が提唱した外交構想と重なる。トランプ政権が明確なアジア戦略を決めあぐねる中、日本は水面下で新戦略の採用を働きかけてきた。内幕を知る米通商関係者も「日本からもらったアイデアもある」と今回の新戦略に日本が影響を及ぼしたことを認める。一方で複数の政府関係者によると、新戦略はわずか数週間で練られたといい、「付け焼き刃」であることは否めない。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)が8日夜公開した韓米共同発表文のうち「韓米同盟がインド・太平洋地域の繁栄のための核心軸」というものに15時間ぶりである9日、同意しないという立場を発表した。 金顕哲(キム・ヒョンチョル)青瓦台経済補佐官はこの日午前、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪問中のインドネシア・ジャカルタでの記者会見で「日本が『インド・パシフィックライン』といって日本・オーストラリア・インド・米国をつなげる外交的ラインを構築しようとするが、我々はここに編入される必要がない」と名言した。前日、両国が共に公開した発表文で「(ドナルド)トランプ大統領は相互信頼と自由・民主主義・人権・法治など共同の価値に基づいた韓米同盟がインド・太平洋地域の安保、安定と繁栄のための核心軸であることを強調した」としたものとは異なる基調だ。 ◆インド・パシフィック、米の対中けん制戦略=米国はトランプ大統領のアジア
◆共同発表文だが「トランプ氏だけが話したこと」=だが共同発表文や共同声明に含まれる内容は相互間合意を前提とする。意見の隔たりがあっても共同文案に含まれた以上、なるべく一方の黙認や暗黙的支持があったと見るのが外交慣例だ。高位外交官出身のある要人は「韓国が同意しなかったとすれば最初から共同発表文に入れるべきでない。異見があったとすれば『文大統領の考えはこのように違う』という文章も併記するべきだった」と説明した。実際、8月韓中首脳会談後、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系をめぐって「(韓中首脳間)異見がある」と指摘した。 匿名を要求した米国専門家は「米国にとって該当文面を共同発表文に入れたというのは韓米同盟がインド・太平洋戦略を認めたという事実を文書で確かに残したこと」としながら「今になって青瓦台が同意したことがないとするのは常識的につじつまが合わない」と話した。 文大統領がインド・太平洋概念
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