「非核化」「安全保障」のスタート台に立った米朝 朝鮮戦争勃発から約70年。いまだ休戦状態の両国の関係はどうなるのか? 宮本悟 聖学院大学教授 2018年6月12日にシンガポールのセントーサ島のカペラホテルで開催された米朝首脳会談は、1950年に勃発した朝鮮戦争以来、軍事的に対立してきたアメリカと北朝鮮の首脳が初めて直接会って話し合う場になった。 米朝首脳会談の主題は、一言でいえば、米朝和解であった。米朝共同声明にある「新たな米朝関係」というのは、米朝和解による新たな両国関係のことである。 そのために、アメリカが北朝鮮の安全を保障し、北朝鮮が非核化を始めることが求められた。アメリカの核の脅威があるからこそ北朝鮮は核兵器を開発したが、北朝鮮が核兵器を開発したからこそアメリカでは北朝鮮を脅威と見なしていた。 だからこそ、北朝鮮に安全保障を与えることと北朝鮮が非核化を始めることが、米朝和解のための