(2014年6月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米国のアトランタ市は以前、ここは「忙しくて憎む暇もない」都市だというキャッチフレーズを創り出した。アジアの国々は過去30年間、このスローガンを非公式に採用して大陸全土に広めていった。1970年代の終わりからアジアの大きな国々は戦いを忘れ、豊かになるという重要な事業に没頭してきた。その成果は実に見事なものだった。 ところがここへ来て、東アジアのいくつかの大国は新しい危険な優先課題を追求し、怒れるナショナリズムや領土を巡る対立にエネルギーを注ぐという不穏な兆しが見受けられる。 この地域での緊張の高まりは非常に明白になっており、今では有力な政治家も警鐘を鳴らしている。筆者が数日前に参加した「平和と繁栄のための済州フォーラム」では、韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相が、アジアでの緊張の高まりは「パンドラの箱が開けられつつあるように見える」こ
(2014年5月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 昨年10月、李克強氏が中国首相として初めてベトナムを訪問した時、この訪問は、南シナ海を巡って緊張が高まる中で近隣の東南アジア諸国との関係改善を図る中国政府の大きな取り組みの一環と見なされた。 李首相は当時ハノイで、中国とベトナムは共同海洋開発について協議するグループを創設すると述べた。南シナ海に関する中国政府の研究機関「中国南海研究院」の呉士存院長は、両国は「南シナ海の危機を共同で管理することで合意に達し、海上摩擦を和らげるようになる」と述べた。 中国側の「挑発」で関係改善の流れが一転、南シナ海でにらみ合いに だが、それから6カ月経った今、中国政府がパラセル(西沙)諸島近くの係争海域に油田掘削装置を設置したことから、両国関係は再び暗礁に乗り上げた。 米国は中国側の行動を「挑発的」と評している。ベトナムは声高に抗議し、問題の海域に数十
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