控えめな態度のアシュトン・カーター米国防長官は5日、元大統領にちなんで命名された米空母への訪問を利用し、中国に対して極めて象徴的な警告を発した。 カーター長官は南シナ海を航行する米空母「セオドア・ルーズベルト」――愛称は「ビッグ・スティック」――のデッキに立ち、「この地域には中国に関する懸念がたくさんある」と語った。 「地域の多くの国が米国にやって来て、ここで我々が平和を保てるよう、一緒にもっと行動するよう要請している」。長官はこう述べ、南シナ海での「主に中国による極端な主張と軍事化」について警鐘を鳴らした。 長官が話していた時、セオドア・ルーズベルトはスプラトリー(南沙)諸島の南150~200カイリの場所にいた。中国が人工島を建設した、南シナ海の中で領有権が争われている海域だ。 世界的なパワーバランスを決定づける競争 空母訪問は、米国による10日間の利害の大きな軍事、外交活動の集大成だっ
11月4日、ASEAN拡大国防相会議では、南シナ海の言及をめぐり日米と中国が対立し、共同宣言の採択は見送られたが、その板挟みにあったのがホスト国であるマレーシアだ。写真は南シナ海スプラトリー諸島にある中国の人工島。5月代表撮影(2015年 ロイター) [クアラルンプール 4日 ロイター] - クアラルンプールで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議では、南シナ海の言及をめぐり日米と中国が対立し、共同宣言の採択は見送られたが、その板挟みにあったのがホスト国であるマレーシアだ。 このことは、マレーシアと他の東南アジア諸国が中国と米国の間で、いかに難しい綱渡りを余儀なくされているかを物語っている。特に先週、米海軍の駆逐艦が南シナ海南沙(同スプラトリー)諸島に派遣され、中国が造成した人工島付近を航行してからはなおさらだ。
KUALA LUMPUR (Reuters) - Disagreement between the United States and China over how to address rival claims in the South China Sea marred a gathering of Southeast Asian defense officials on Wednesday, with a joint statement scrapped after ministers failed to agree on its wording. From L-R: Japan's Minister of Defence Gen Nakatani, Myanmar's Minister of Defence Lieutenant General Sein Win, Laos' Min
11月4日、マレーシア、東南アジア諸国連合の加盟国と日米中豪などによるASEAN拡大国防相会議が開催された。共同宣言が取りまとめられる予定だったが、南シナ海への言及をめぐり米中が対立し、宣言の採択は見送られることとなった。写真は中国が人工島を造成したスプラトリー諸島スビ礁の衛星写真。9月撮影。提供写真(2015年 ロイター/CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/DigitalGlobe) [クアラルンプール 4日 ロイター] - マレーシアで4日、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日米中豪などによるASEAN拡大国防相会議が開催された。共同宣言が取りまとめられる予定だったが、南シナ海への言及をめぐり米中が対立し、宣言の採択は見送られることとなった。 議長国であるマレーシアの当局者は共同宣言見送りの理由は明らかにしていない。修正されたスケ
【クアラルンプール=吉村英輝】マレーシアで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中などの計18カ国によるASEAN拡大国防相会議は4日、南シナ海問題をめぐって混乱。事務局は同日午後に予定していた共同宣言署名式の中止を発表した。米国高官はロイター通信に対し、共同宣言の採択自体が見送られることになったことを明らかにした。 会議筋によると、日本や米国は、中国による人工島造成などで「航行の自由」が脅かされる南シナ海問題を、共同宣言に盛り込むよう要求。これに中国が強く反発し、文案調整が失敗に終わった。 同通信はフィリピン高官の話として、議長国マレーシアが3日夜に参加国に示した文案には、草案になかった「南シナ海」が日米などの要求に応じて盛り込まれたと伝えた。中国や親中派の参加国がこれに反発。会議でも議論が紛糾し、南シナ海の緊張緩和に向けた取り組みで一致することができなかった。
マレーシアで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合の拡大国防相会議で、南シナ海の問題を巡ってアメリカと中国が対立して共同宣言を採択できない異例の事態となり、この問題を巡る米中の溝の深さが強調される結果となりました。 会議では、南シナ海で中国が造成を進める人工島の周辺12海里の中を、アメリカ軍のイージス艦が航行したことを受けて、米中間の対立が深まるなか、ASEANとして一致して問題の解決に向けた対応を打ち出せるかが最大の焦点となりました。 ASEAN外交筋によりますと、ASEAN各国は、問題の平和的な解決に向けた法的拘束力を持つルール「行動規範」の策定を目指す方針を盛り込む方向で調整を進めていたということです。ところが、中国が南シナ海にかかわる一切の文言の削除を強く求め、これに対してアメリカなどが激しく反発した結果、文言の調整がつかず、初めて共同宣言を採択できない異例の事態となりました。
(英エコノミスト誌 2014年5月10日号) 行方不明機を巡ってマレーシアを激しく非難していた中国だが、今では関係の修復に動いている。 マレーシアのナジブ・ラザク首相は5月5日、行方不明となっているマレーシア航空機の捜索は、たゆまず続けると明言した。 しかし、この確約にもかかわらず、3月8日に消息を絶ったマレーシア航空370便の痕跡を発見するには、数カ月どころか数年かかるだろうという認識が広がりつつある。 乗客の生存も絶望視せざるを得ない。インド洋の新しい捜索海域だけでも6万平方キロメートルに及ぶ。これ以前に、既に460万平方キロメートルが捜索済みだ。 世界の注目を浴び、叩かれ続けた忌まわしい2カ月間 現在は捜索・救助活動の焦点がオーストラリア西海岸に移ったため、マレーシア人は、世界の注目を浴び続けた忌まわしい2カ月をじっくり考える余裕が少しは生まれた。 マレーシアは大きな打撃を受けたが、
マレーシア訪問中、マラヤ大学で行われたタウンホールミーティング「東南アジア10カ国の若きリーダーとの対話」の様子(筆者撮影) 一方、中国としても、中東からの原油タンカーが通過するマラッカ海峡を抱えるマレーシアは、戦略的に重要な位置を占める。 さらに、中国にとってASEANで最大の貿易相手だということも重要視され、昨年10月には習近平国家主席がマレーシアを訪問。国交樹立40周年に当たる今年は、経済連携や軍事交流をいっそう推進させることで合意している。 こうした中、米国はイスラム圏でありながらマレーシアが見せる中国との親密ぶりを警戒する一方、将来的な「戦略的パートナー」として中国から“奪回”するに十分な魅力を抱えていると、その思惑を巡らせている。 これまでホワイトハウスは、トルコの公正発展党(AKP)やエジプトのムスリム同胞団の穏健派との中東民主化に失敗し、新イスラム戦略として「マレーシアを穏
「オバマ旋風」がアジアから去った――。が、勢いだけで、米国にとって具体的な果実はなかった。それどころか、同政権にとって、外交の軸足を中東からアジア太平洋に変更するアジア回帰(Rebalancing Asia)の矛盾とジレンマを露呈した旅だった。 米国が中国からマレーシアを“奪回”したい理由 その旅の狙いは、アジア太平洋地域での米国の軍事、政治、経済上の優位性を強化することだったが、緊張が続くウクライナ情勢、混乱のシリア内戦、米国の仲介で昨年約3年ぶりに再開したイスラエルとパレスチナ間の事実上の中東和平協議決裂の中、同政権の外交政策が批判を浴びる時期と重なった。 米国が中東や欧州から手を引いている間に、イランの核やシリアの危機が高まり、米国の軍事外交戦略のネックとなっている。言い換えれば、西側の有事がアジア回帰の戦略化を遅らせている。結果、今回のいずれのアジア訪問国の記者会見でも、大きな関心
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