ドナルド・トランプ氏の選挙集会が予定されていた米イリノイ州シカゴにあるUICパビリオンでにらみあう同氏の支持者たちと反対派の人々(2016年3月11日撮影)。(c)AFP/Tasos Katopodis〔 AFPBB News 〕 こんなことが起こるのは米国だけだ。ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補指名を獲得しようとする中、ほかの国々は、困惑したり、唖然としたりしながら見守っている。 友好国の反応には、見下したような雰囲気がかすかに混じることがある、と言って構わないだろう。 国のトップの公職を目指す人物が自分のペニスのサイズを公の場で自慢するなどということは、目を見張るほど低俗な米国をおいてほかにどこで起き得るだろうか? 共和党の指名争いでトップを走るこの人物は、一見すると、唯一無二の存在だ。不謹慎な言葉遣い、バーコード頭、女性不信、キレやすさ、ニューヨークの不動産開発で財をなした人
2015年は、不安な気持ちと嫌な予感がすべての大国の中心都市に住み着いたかのように思われた年だった。北京からワシントン、ベルリン、ブラジリア、モスクワ、そして東京に至るまで、政府もメディアも市民もびくびくし、苦境に立っていた。 このような形で不安感が世界中に広がるのは珍しいことだ。 過去30年以上にわたって、強気で楽観的な大国が常に1つはあった。 1980年代の後半には日本が数十年間に及ぶ景気拡大をまだ謳歌しており、自信に満ちた様子で世界各地の資産を買いあさっていた。 1990年代には米国が冷戦の勝利と長期の景気拡大という恩恵に浴していたし、2000年代の初めには、共通通貨を導入したり加盟国を2倍近くに増やしたりした欧州連合(EU)が活気づいていた。そして過去10年間は、政治と経済の両面で成長を続ける大国の中国に世界中が敬意を表することがほとんどだった。 すべての大国が不安に苛まれる時代
しかし、欧州内部での急進的な政治勢力の台頭は、対ロシア政策でのEUの団結を脅かしている。そのため、ロシア政府が自信を深めて危機がエスカレートする可能性も高まっている。 ギリシャやドイツ、フランスといった国々の極左と極右は、ウラジーミル・プーチン氏率いるロシアへの好感によって結びついているように見える。 極右勢力はプーチン氏の社会保守主義、国民国家というものを強調する姿勢、専制政治、米国とEUに対する敵意などを好ましいと思っている。また、極左勢力は、モスクワに対する昔からの親近感をまだ持ち続けているようだ。 ロシアがEU域内の極右・極左勢力に接近することは、完全に理にかなっている。EUの団結が崩れれば、ロシアの孤立に貢献してきた制裁の体制も崩れ始めるからだ。 プーチン氏はすでに、フランスの極右政党である国民戦線(FN)や、ギリシャのSYRIZAと交流している。ギリシャのアレクシス・チプラス新
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