(2015年6月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) サウジアラビアの国防相が今週、ロシアに赴く。石油王国で米国の同盟国であるサウジは、ウラジーミル・プーチン大統領との架け橋を築き、中東の盟主としての権威を発揮しようとしているのだ。 国防相としてイエメンでのサウジの空爆作戦を率いたムハンマド・ビン・サルマン王子は19日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに合わせてプーチン大統領と会談する。 この会談は、ロシア政府がいかにシリアで前へ進む方法を模索しているかを示している。 ロシアは4年にわたるシリア内戦で「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」などのジハード(聖戦)主義者を含む反政府勢力と戦うバシャル・アル・アサド大統領の体制側の顕著な支援国だ。一方のサウジはアサド氏を退任に追い込むことを期待し、非宗教的な反政府勢力と「穏健」なイスラム主義の反政府勢力を支援している。 アサド後をに
イエメンの反体制派武装組織「フーシ」は、アブドラブ・ハディ大統領に忠実な軍隊に対し「総動員体制」を取ると宣言した後、22日に入って同国第3の都市タイズの支配を固めた。イエメンは全面的な内戦にますます近づいている。 フーシの部隊は、首都サヌアと南部の港湾都市アデンとの間にある戦略上の要衝にまで勢力を広げたことになる。劣勢のハディ大統領は、アデンに政権を樹立しようとしている。 サヌアでは、フーシが奉じるイスラム教・ザイド派(シーア派の一派)の信者が多数集まった複数のモスクで自爆テロがあり、少なくとも137人が死亡したことから、週末は緊張が高まっていた。 「宗派に基づいてモスクを選別して標的にするというのは、治安が悪化していることを示すゆゆしき事態だ」。国連のイエメン特使、ジャマル・ベノマール特別顧問はこう語った。 フーシの盟友であるアリ・アブドラ・サレハ元大統領に忠実な部隊は先週、ハディ氏の部
トルコと国境を接するシリア北部の要衝アインアルアラブ(クルド名:コバニ)の丘にたてられたイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」の旗のそばに立つ同組織の戦闘員とみられる人影〔AFPBB News〕 バラク・オバマ米大統領は法律家の面が強すぎて、指導者の面が弱すぎる。前米国防長官のレオン・パネッタ氏には売り込むべき回顧録があるが、実際は、同氏の大統領批判は見慣れた場所を歩んでいる。 現職の政府高官も退任した政府高官も、これまでずっとオバマ大統領のホワイトハウスの過度な慎重さについて不満をこぼしてきた。重要か否かは別として、米国の同盟国も同じ不満を表明している。 多くの場合、彼らの言い分には一理ある。そして、またオバマ大統領の言い分にも一理ある。 一見したところ、カリフ制イスラム国家を自称するスンニ派過激組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」によるシリア
イスタンブールは魔法のようなエネルギーを少しも失っていない。だが、トルコは地政学的な羅針盤をどこかに置き忘れてしまった。 今から数年前、レジェップ・タイイップ・エルドアン氏が率いる政府は東の方を向いた。トルコを欧州連合(EU)から締め出しておく気の欧州に蔑ろにされ、トルコは中東情勢を左右する大国としての自国の地位を高らかに宣言した。 近隣諸国とは一切問題を抱えていないと、政府のスローガンは謳っていた。トルコは、アラブの反乱から姿を現わすイスラム教民主主義国にとっての模範になるはずだった。 変わる中東情勢、賭けに負けたエルドアン氏 活気あるイスタンブールの街頭のシリア難民は、別の物語を語っている。機会に満ちた地域は混乱地帯と化している。すべてが始まったチュニジアを除き、民主化の春への崇高な期待は消え失せた。エジプトは独裁政治に戻った。リビアは破綻国家になり、シリアは血みどろの戦場になった。エ
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