内戦が続くシリアでは、過激派組織IS=イスラミックステートが支配してきた世界遺産のパルミラ遺跡を政府軍が10か月ぶりに奪還し、貴重な文化財が破壊された実態が徐々に明らかになってきています。 シリアの国営通信は28日、パルミラ遺跡を代表する古代ローマ時代に建てられた神殿と凱旋門(がいせんもん)、それに墓などが修復が不可能なほど破壊されていると伝えました。 また、遺跡を管轄するシリア文化財博物館総局が28日に公開した写真からは、博物館に収蔵されていた石像が倒され粉々になるなど、貴重な文化財が壊された様子が確認できます。 シリア政府は、すでに現地入りしている専門家による被害状況の調査を進め、ユネスコ=国連教育科学文化機関などの協力を得ながら、被害が少ない遺跡は修復し、被害が大きなものは新たに建て直して復元する方針です。 パルミラはシルクロードの交易で栄えた古代ローマ時代の都市で、去年5月に一帯を