「イスラーム国」がジハードを掲げて異教徒を征服したり、奴隷化したり、殺害したり、世界各地で不信仰者を制圧したりする際に、明示的にイスラーム法的根拠を掲げる。イスラーム法は、イスラーム世界が世界のかなりの部分で支配者側の宗教であり、政治・軍事的に優位で、異教徒を権利の制限の下で従えていた時代に定式化されたものなので、現代の国際秩序の中で「復興」しようとすると、多大な摩擦と混乱、そして戦乱と流血を伴うことにならざるをえない。 イスラーム法はコーランとハディースを典拠に導き出した規範だが、見よう見まねでコーランの断片を読んでみてもイスラーム法の正統な導き方は学べない。1400年の歴史の中で、歴代のイスラーム法学者が議論を重ねて到達したコンセンサスがイスラーム法学の有力解釈であって、それを素人がにわか勉強で覆すのは不可能であると謙虚に思い知った方がいい。 ジハード主義者が掲げる、政治と軍事に関する
以前にも紹介したことのある研究者の発言。「テロとイスラームは無縁だ」と言われるけれども、本当のことを言うと、「教義は何かしらテロに関係あるよね、そのことから目を反らすのはもうやめようね」という話。これがなかなか言えないことなのです。うっかり言うと、「反イスラーム」とレッテルを貼られて排斥されかねない。...
イスラム思想の観点から、イスラム国現象を読み解きます。イスラム国が消滅するその日まで、継続させるのが目標。 「どこまでもエジプト(http://nouranoiitaihoudai.blog.fc2.com/)」著者による姉妹ブログです。 イスラム国からフランス人移住者のモノローグを収めた動画が公開されました。 フランス人とはいっても、生まれついてのイスラム教徒ではなく、キリスト教徒として生まれ育ち、イスラムに改宗した人のものです。 改宗フランス人の動画は過去にもありますが、この動画をみて私が理解したのは、 「本当のイスラムを追及するとイスラム国にたどり着く」ってことが言いたいんだろうな、ということです。 彼(アブ―サルマーン)の話の概要は以下です。 自分はキリスト教徒として生まれ育ち、5年前にイスラムに改宗した。 きっかけはバイク事故にあったことであり、その後真実とは何かについて探求する
そもそも日本人でISを正確に理解している専門家が何人いるかは疑問だ。 突如生まれたこの「IS評論」なるマーケットに、アラビア語・非アラビア語の中東専門家からイスラム教に詳しい宗教研究者・歴史学者、さらには英会話すら危ない独立系ジャーナリスト・戦場カメラマンまで有象無象の「有識者」が参入した。 あまり喋ると嫌われるぞと警告されたが、ここは真実を語らざるを得ない。 申し訳ないが、中東が専門でない日本人国際政治学者等のIS評論は大半が再利用、すなわち外電と欧米・日本の中東専門家の言説をもっともらしく繰り返すだけだった。もちろん仕事だから、彼らも何か喋る必要があったのだろう。 一方、中東専門家も玉石混交だった。
やっぱり、という感じ。2/28の記事読んだときに「これ池内さんの本で見た奴だ!」と思った記憶ある。まあ記事の質は池内さんと比較するとげっふんげっふんで悪い意味でTKらしい、と思ったら、対応までTKらしくて呆れる
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。
中東地域の紛争に詳しい桜美林大学の加藤朗教授は「イスラム国側から身代金の要求が出ていたときは、交渉の余地が残っていたと思うが、リシャウィ死刑囚の釈放を求める要求に変わってからはイスラム国側がまともに交渉する気がなくなっていたのではないかと思う。殺害が事実であるなら、日本はテロに対するスタンスを変えてはならないし、周辺諸国やイスラム諸国との関係も変えてはならない」話しています。
国際テロに詳しい公共政策調査会の板橋功第1調査室長は、「映像が事実だとすれば最悪の結果で残念だ。後藤さんの解放に向けて交渉はされていたと思うが溝が埋まらなかったのだろう。今回のようにインターネットなどを通してやり取りが公開された状況での交渉は非常に難しかったと言わざるをえない」と話していました。 さらに板橋さんは「この結果を受けて日本はテロに対するスタンスを変えてはならず、中東への支援策は戦闘行為に参加するものではないということを明確にし続ける必要があり、周辺諸国やイスラム諸国との関係を変えてはならない」と話しています。
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。
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