今日、世界は大混乱の中にある。2011年に本格化した民主化要求運動「アラブの春」で中東世界の秩序は破壊され、シリアなどから欧州に移民が押し寄せている。欧米とロシアの激しい対立の舞台ウクライナでも紛争が続き、ソ連加盟国で最も豊かだった経済はずたずたになった。すべて過去10年間、米国が世界中で行った介入政策の結果だ。 米国民がドナルド・トランプ氏を次期大統領に選んだのは、この10年の自国のあり方にうんざりしたからだ。「よその国に介入するのはやめ、自国の問題に取り組もう」という決意だ。歴史的な、そして歴史の当然の帰結としての選択だ。