五輪開催中のブラジル・リオデジャネイロで10日、五輪のための治安管理を担当する警察官3人が麻薬組織から銃撃され、1人が頭に銃弾を受けて重傷を負った。現場は国際空港から約9キロのスラム街で、モラエス法相は同日、治安対策のための緊急会議を開いた。 事件があったのはリオ北部のスラム街。普段から治安が悪いファベーラと呼ばれる場所で、内部に潜んだ麻薬組織と警察との間で日常的に銃撃戦が繰り返されている。 報道によると、警察官3人は五輪のメイン会場の五輪公園に通じる幹線道路に出ようとした際、道に迷ってスラム街に進入し、突然、銃撃を受けた。五輪開催中、リオに配置される治安部隊は、ブラジル全土の警官らで構成されており、この3人はいずれもリオ以外の出身者だった。 モラエス法相は「犯人のうち、すでに2人を特定した。逮捕に全力を挙げる」と語った。(リオデジャネイロ=田村剛)