ミラー 武者リサーチ、ディレクターのミラー和子です。こんにちは。今回は、アジアインフラ投資銀行に51カ国・地域が参加した問題について考えてみたいと思います。米国がボイコットを呼びかけてきた中、欧州G7も参加するということで、大変意外な展開です。 (1)覇権国米国の初めての屈辱 武者 そうですね。今、非常に大きなホット・トピックはこのアジアインフラ投資銀行(AIIB)をどう考えるかということだと思います。ここまで世界各国が参加するということは誰もが想定できなかったことです。今回はAIIBの展開をどう理解すればいいのかということを少し考えてみたいと思います。 端的に言って、アメリカの中国に対する政策は、Engagement and Hedging、つまり関与と防御という2つの戦略を交互に活用しながら対応してきたと思います。このEngagement and Hedgingというアメリカの中国に対
中国政府は自分たちの幸運を信じられないほどだ。米議会での苦境にアジアの追い討ちをかけるように、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は先週、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を確約した。 ネタニヤフ氏と、3月3日に同氏が米議会で行った演説で恥をかかされたバラク・オバマ米大統領はもともと不仲だが、中国が最初に新銀行の構想を立てた時、イスラエルほどの往年の米国同盟国を呼び込むことは考えられなかったはずだ。 AIIBになびいた英国の一見突拍子もない離反行為――英国は米国のパートナー国として、新銀行に関する米国の反対論を無視した最初の国――として始まったものは、中国の純然たる戦略的勝利に発展した。 オーストラリアや韓国のような米国の伝統的な軍事同盟国を含め、50カ国以上がAIIBへの参加を決めた。唯一、日本だけが――今のところ――米国への支持を貫き、新銀行の統治と透明性の基準に対
何清漣 2015年3月30日 全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun http://twishort.com/yuVhc 中国が提唱するアジアインフラ投資銀行(AIIB)のメンバー資格申請が3月末で終わります。中国の国家発展開発委などは3月28日に「一帯一路」(*海と陸のシルクロード沿い国家開発援助)の「ビジョンと行動」として、「5通(*政策、施設、贸易、資金、民心のコミュニケーション)と「一帯一路」上の数十各国の「利益・運命・責任の共同体」を推進するものだと宣しました。しかし、”一帯一路”にあるキー国家のひとつであるスリランカは、今月初めに中国との「港湾プロジェクト」停止し、この計画には多くの予想外の問題点がある、と表明しました。 中国は多くの国の賛同を得るために、「拒否権」を放棄しましたが、これはこの銀行計画が中国が当初、考えていた過剰生産能力を輸出するプラットフォー
(2014年5月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) フィリピンの中期成長見通しは中国よりいいかもしれない。北京からクアラルンプールに至るまで、チーズの需要は鉄鉱石よりも大きい。ネール・ガンジー一族はインドに対する支配権を失った。混乱するアジア世界でほぼ唯一見覚えのあることは、将軍たちが再びタイを掌握していることだ。 これほど巨大で多様な地域について語れる限りで言えば、アジアは流動的だ。何年もの間、かなり予測可能なパターンに落ち着いていた後で、変化の歯車がギシギシと音を立てている。2008年の金融危機以降、変わらないものがいくつかあった。 中国は急成長し、地域の成長エンジンになっていた。西側諸国の印刷機によってもたらされた低利資金と低金利は、多くの国が借り入れを増やし、伸びない輸出に取って代わるために必要だった内需を刺激することを可能にした。ミャンマーのような数少ない例外はあるものの、
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