これまで2回にわたって、外国人女性支援組織「KAFIN」の道のりを追いながら、フィリピン人を中心とする外国人女性の直面する困難とそこから逃げ出すことの難しさについて考察した(第1回、第2回)。 一方、外国人女性とはいったいどんな存在なのだろうか。彼女たちは常に「弱者」や「被害者」なのか。あるいは、海外に出稼ぎに出て故郷の家族を助ける「したたかで強い女性」なのだろうか。最終回となる本稿では、外国人女性の揺れ動く地位について考えたい。 弱い? 強い? 「からゆきさん」と「ジャパゆきさん」 興行資格などによって来日し、エンターテイナー、ホステスとして就労してきたフィリピンやタイなどを含むアジア人女性は、「ジャパゆきさん」と呼ばれた。「ジャパンに行き」就労するからだ。 その「ジャパゆきさん」は、「からゆきさん」という存在ゆえの呼び方だ。 作家・山崎朋子さんによる『サンダカン八番娼館 - 底辺女性史