今は亡きロシア人内部告発者の遺族の代理人を務めていたモスクワの弁護士が、ビルの上から転落し、重傷を負った。3月21日、出廷予定のわずか1日前のことだ。 ニコライ・ゴロコフ弁護士は、内部告発者セルゲイ・マグニツキー氏の家族の代理人を務める。マグニツキー氏もロシアの弁護士で、2009年モスクワの勾留施設で不審な死を遂げた。法執行機関と税務当局を舞台にした2億3000万ドル(当時のレートで約256億円)もの巨額横領事件を告発した後の出来事だった。マグニツキー氏の死は国際社会の怒りを招き、2012年、アメリカがロシア当局者数人に対して制裁を加える法案「マグニツキー法」可決へとつながった。