【台北=牧野田亨】台北市の検察当局は29日、国連安全保障理事会の制裁決議に反し、北朝鮮産の無煙炭を密輸したとして、テロ資金支援防止法違反などの容疑で台湾北部・新北市の貿易会社の実質的な責任者の男を拘束したと発表した。 発表によると、密輸に使われた貨物船は船の位置情報を発信する自動船舶識別装置を切っていたほか、偽の産地証明を使い、航行日誌も偽造していたという。 拘束された男は昨年8~9月、中国人を通じて貨物船をチャーターして北朝鮮の港に入港。無煙炭を積んだ後、ベトナムの外海まで輸送し、第三者に売却した疑いが持たれている。ほかに複数の台湾人の男女も取り調べを受けた。台湾メディアによると、運んだ無煙炭は4万トン超で約300万ドル(約3億2600万円)に相当する。検察関係者は本紙の取材に対し、「密輸は1回ではない。手口も様々だ」と説明した。 無煙炭は炭化度が最も高い石炭で、制裁対象になるまでは北朝