---------- 世界を翻弄する北朝鮮。やはり金正恩第一書記は知略に長けた指導者なのか。国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会の専門家パネル委員を務め、『北朝鮮 核の資金源』を著した古川勝久氏が金正恩氏の狙いと実力を分析する。 ---------- 2018年4月25~28日、北朝鮮の金正恩労働党委員長は、初の国際外交の舞台として、夫人とともに中国を電撃訪問して、世界を驚かせた。年初からほぼ毎週、北朝鮮の動向が世界のメディアを賑わしている。 昨年まで北朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射試験を繰り返し、朝鮮半島の軍事的緊張が高まったが、平昌オリンピックへの参加を機に、一気に融和ムードへ転換を図っている。 軍事的緊張をテコに外交的妥結を図る、北朝鮮の「瀬戸際外交戦略」は今も健在だ。 米国へのアプローチもよく計算されているといわざるをえない。 2017年、北朝鮮は米国務省と水面下で協議を続けていた