ASEAN(東南アジア諸国連合)と日本やアメリカ、中国などが参加した東アジアサミットの議長声明が発表され、南シナ海については「いくつかの懸念に留意する」との表現にとどまりました。 中国が軍事拠点化を進める南シナ海を巡っては、領有権を争うベトナムやフィリピンなどに加えてアメリカも強く批判していて、今年の議長声明案では一時、「深刻な懸念」というより強い表現も検討されました。しかし、これに中国が強く反発し、一部の東南アジア諸国も中国を支持したことから結局、昨年と同じ「いくつかの懸念に留意する」という表現にとどまりました。今回、タイで開かれた一連の会議には、中国から李克強首相が出席した一方、アメリカはオブライエン大統領補佐官の出席にとどまり、東南アジア諸国からは「この地域を軽視している」という不満の声も上がっていました。
【シンガポール=吉村英輝】米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は12日までに、衛星写真などに基づき、中国が南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島で、埋め立てによる人工島造成を継続していると指摘した。中国は2015年、同海での埋め立て作業「完了」を宣言し国際世論の批判をかわす根拠としているが、言行の不一致が再び露呈した。 最近数カ月も埋め立て作業が継続されている典型例として2カ所を指摘した。 ツリー(趙述)島では、15年8月時点で西端が小規模の新規埋め立てが見られただけだった。だが、その周辺で浚渫による新港湾が建設され、東京ドーム2個分超の約25エーカー(約0・1平方キロメートル)がさらに埋め立てられた。レーダードームなどに加え、最近はヘリパッドが完成し、風力や太陽光発電施設も導入された。 また、16年には、ノース(北)島とミドル(中)島を橋で結ぶため埋め立てが行われたが、同年10
[香港 8日 ロイター] - 来年、東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国がシンガポールに替わる。関係筋によると、中国は、南シナ海での自国の行動に対する批判の再燃を恐れ、それが現実とならないようシンガポールに圧力をかけているという。 8月8日、中国は、南シナ海での自国の行動に対する批判の再燃を恐れ、それが現実とならないようシンガポールに圧力をかけているという。写真は6日、マニラで会談する中国の王毅外相(右)とシンガポールのバラクリシュナン外相(2017年 ロイター/Erik De Castro) この数ヶ月間、複数回にわたる非公式の会談で、中国側の代表者はシンガポール側に対し、1年交代のASEAN議長国にシンガポールが就任しても中国政府にとって困難が生じないよう申し入れたという。 外交関係者らは、中国がこれまでにも、アジアにおける最大の不安定要因の1つである南シナ海問題に対するASEAN
「自分がフィリピン人だということをいまや私たちはあまり考えるべきではない」「自分がASEAN(東南アジア諸国連合)人だと考え始めるのです」フィリピンのアラン・カエタノ外相は演説の中でそう言った。 ASEAN関連外相会談(8月6〜8日)の最終日、開催地であるフィリピンのマニラで、多くの外交官や大使らが集う中、ASEAN設立50周年を記念した荘厳な式典が開かれた。1967年バンコク宣言に署名した5人の創設者に敬意を払ったり、メンバー国首脳のビデオメッセージが流れたほか、オーケストラの演奏に合わせて東南アジア各国の多様な文化をイメージさせるダンスパフォーマンスが上演され、来賓者たちの目を奪った。 ASEANは組織としてまだまだ未熟だし、エリート主義だと批判されることもある。だが、手と手を携え、紛争の地から平和な地域へ、貧困の地から活気のある経済へと着実に進化してきた。それと対照的に、隣接する北東
東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に出席するためフィリピン・マニラを訪問中の河野太郎外相は7日、中国の王毅(ワンイー)外相と約50分間会談した。王氏は会談の冒頭、中国の海洋進出を牽制(けんせい)した河野氏の発言について「失望した」と批判。河野氏は「中国には大国としての振る舞いというものを身につけていただく必要がある」と反論した。 王氏の発言は、海洋進出をめぐる原則的な立場に沿ったものだが、あえて河野氏の父、洋平・元外相を引き合いに出すことで、苦言を呈した格好。初顔合わせの冒頭で、双方が本音をぶつけ合うことになった。 王氏は会談で、「あなたのお父さんは正直な政治家で、歴史の話をすれば心の態度を表明した」と切り出し、洋平氏に言及。「あなたが外相になると知って、私たちの多くが期待を抱いた」と強調した。さらに「今日、東アジアサミット(EAS)外相会議であなたの発言を聞いて率直に言って失望
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【マニラ=吉村英輝】東南アジア諸国連合(ASEAN)は30日、フィリピンの首都マニラで29日に開いた首脳会議の議長声明を発表した。産経新聞が入手した直前の声明案には、南シナ海の人工島で軍事拠点化を進める中国を念頭に、「埋め立て活動」や「軍事化」を指摘する文言の記載があったが、発表された声明では、これらの文言が消えた。ドゥテルテ政権になってから対中融和を優先している議長国フィリピンの意向が、色濃く反映された形となった。 一方、声明案にあった「複数の加盟国と中国との2国間関係が改善していることに留意」との記載も消された。議長声明の内容をめぐっては、中国への強すぎる配慮に懸念を示すインドネシアなどが、フィリピンへの説得にあたって修文作業が続き、会議当日の29日の発表が延期され、バランスがとられた。 また、中国との間で協議している南シナ海の紛争防止に向けた法的拘束力のある「行動規範」については、「
アメリカのトランプ大統領は29日、フィリピンのドゥテルテ大統領と初めて電話で会談し、核やミサイル開発を加速させる北朝鮮の問題について協議しました。 トランプ大統領がドゥテルテ大統領と電話で会談したのは就任後、初めてのことで、北朝鮮情勢などASEAN=東南アジア諸国連合が抱える懸念について議論したとしています。 北朝鮮情勢をめぐる議論の詳細は明らかにされていませんが、これに先立ってドゥテルテ大統領は「アメリカと北朝鮮の双方が危険なおもちゃで遊んでいるようなものだ。北朝鮮の術中にはまってはならないとアドバイスするつもりだ」と述べ、トランプ大統領に冷静な対応を呼びかける考えを強調していました。 アメリカとフィリピンの関係はドゥテルテ大統領が強硬な薬物対策を批判するオバマ前大統領を侮辱する発言を繰り返したことでぎくしゃくしていました。 ただ、今回の電話会談についてホワイトハウスは「非常に友好的な会
東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の開幕式に到着した議長国フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領(2017年4月29日撮影)。(c)AFP/MARK R. CRISTINO 【4月29日 AFP】29日に開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で議長国フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が、領有権争いが激しい南シナ海(South China Sea)での中国の拡張政策に対するASEAN諸国の抵抗を抑制しようと試み、各国首脳から反発を受けた。複数の外交官が明らかにした。 戦略的重要水路である南シナ海に対する中国の全面的な主権主張に対し、国際裁判所はこれを認めない判断を下しているが、今回のASEAN首脳会議はこの判断については取り上げない意向を示している。 首脳会議閉幕の際に議長声明を発表するドゥテルテ大統領は会議に先立ち、フィリピンを含むA
<ドゥテルテの暴言でキャンセルされたアメリカとの首脳会談ばかりか、オバマとASEAN首脳との会議も欠席。中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海という大きな課題は放置されたままになった> ご存じ、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。6月の就任時から麻薬犯罪の一掃を掲げ、裁判もなく多数の容疑者の殺害を容認したとして国際社会から厳しい批判を浴びてきたが、今週ラオスの首都ビエンチャンで開催されたASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議での外交デビューも不運なものだった。 バラク・オバマ米大統領に人権侵害を指摘されたドゥテルテは、「くそ野郎」と外交上あり得ない言葉でオバマを侮辱、6日に予定されていた首脳会談はキャンセルされてしまった。 爆弾テロによる片頭痛? それだけではない。8日に行われた米・ASEAN首脳会議も欠席した。中国と対立している南シナ海の領有権問題を直接オバマと話し合える最後の機会
フィリピン沖の南シナ海にあるスカボロー礁に中国船約10隻が集まっているのを、フィリピン空軍が4日までに確認した。1隻は浚渫(しゅんせつ)船とみられ、比政府は中国が基地建設を目的とした埋め立てをしないか警戒している。 4隻の海警局の船や貨物などを運ぶはしけも確認した。漁業を管掌するピニョール農相は4日、国防省を通じて写真を確認して、「明らかに基地を造ろうとしている。建設行為は確認していないが、多くの船が集結していることを憂慮する」とコメントし、ドゥテルテ大統領が、東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連会議が開かれるラオスで7日に予定する米オバマ大統領との会談で議題とする可能性を示唆した。 スカボロー礁はフィリピンの排他的経済水域にあるが、2012年から中国が実効支配している。今年7月には常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が、中国は伝統的漁業権を持つフィリピン漁民の権利を侵害したとの判断を示し
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