東大など全国38の医療機関が参加するアルツハイマー型認知症の早期発見に関する国の大規模研究で、データの一部に不適切な処理が行われたとの指摘があり、厚生労働省は関係者からの聞き取り調査を開始した。 同研究は、国や製薬会社などが計約30億円を出し、2007年度から東大の岩坪威教授(神経病理学)を代表研究者に行われている。今年3月末に報告書が提出される予定だ。 不適切と指摘されているのは、研究に協力した545人の高齢者に対する心理試験データ。30分後に記憶を再生・確認する検査で、1時間後に行ったとの記載を、後に、40分後に検査したことに書き換えるケースがあったとしている。研究班の杉下守弘・元東大教授は「これはデータの改ざんだ。他にも条件に合わない患者の登録が多数行われており、研究の信頼性を損なう」と訴えている。 これに対し、岩坪教授は今月6日、「改ざんはない」とする調査結果を厚労省に提出。同教授