(2014年6月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米国のアトランタ市は以前、ここは「忙しくて憎む暇もない」都市だというキャッチフレーズを創り出した。アジアの国々は過去30年間、このスローガンを非公式に採用して大陸全土に広めていった。1970年代の終わりからアジアの大きな国々は戦いを忘れ、豊かになるという重要な事業に没頭してきた。その成果は実に見事なものだった。 ところがここへ来て、東アジアのいくつかの大国は新しい危険な優先課題を追求し、怒れるナショナリズムや領土を巡る対立にエネルギーを注ぐという不穏な兆しが見受けられる。 この地域での緊張の高まりは非常に明白になっており、今では有力な政治家も警鐘を鳴らしている。筆者が数日前に参加した「平和と繁栄のための済州フォーラム」では、韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相が、アジアでの緊張の高まりは「パンドラの箱が開けられつつあるように見える」こ
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