<ロシアがクリミアを併合した2014年以降、NATOの対ロシア戦略は協調から対決へ180度転換した。今週末にワルシャワで開かれるNATOサミットではさらに対決色が強まるだろう。ロシアを止めるにはどうしたらいいのか、デンマーク首相を務めたこともある元NATO事務総長、ラスムセンが提言> 今週の金曜と土曜は、ポーランドのワルシャワでNATO(北大西洋条約機構)諸国の首脳会談が行われる。課題は、「東方」に対する能力と存在感をいかに高めるか。ロシアに対する西側の新しい対抗策の一環だ。 NATOワルシャワ首脳会議が成功すれば、軍事費削減と政治的不確実性に揺れるNATO諸国も安定し、士気も上がるだろう。 ロシアに対する新しい対抗策は、ロシアがクリミアを併合し、ウクライナ東部に軍事介入した2014年にウェールズで開いたNATOサミットで浮上した。2014年以前の対ロシア戦略は対話と協調が第一だったが、こ
ロシアのワーニン駐デンマーク大使が21日付の新聞への寄稿で、米国が進める欧州のミサイル防衛(MD)計画にデンマークが参加した場合、同国軍の艦船がロシアの核攻撃の対象になり得ると警告した。クリミア併合を巡るプーチン大統領の発言に続き、世界最大規模の核戦力を背景に周辺国を威圧するロシアの姿勢に懸念が強まっている。 AFP通信によると、ワーニン大使はデンマーク紙ユランズ・ポステンに寄稿した論文で「デンマークは、米国主導のMDに加わった場合に何が起きるか十分理解していないようだ」「デンマークの軍艦がロシアの核ミサイルの標的になるのだ」と指摘した。 ロシアは軍の基本政策(ドクトリン)で、核の使用を①核攻撃を受けたとき②国家の存立を脅かされたとき――に制限している。大使の寄稿はこれを無視して核使用のハードルを下げる非常に危険な内容だ。 デンマークでは、リデゴー外相… こちらは有料会員限定記事です。有料
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