マレーシアで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合の拡大国防相会議で、南シナ海の問題を巡ってアメリカと中国が対立して共同宣言を採択できない異例の事態となり、この問題を巡る米中の溝の深さが強調される結果となりました。 会議では、南シナ海で中国が造成を進める人工島の周辺12海里の中を、アメリカ軍のイージス艦が航行したことを受けて、米中間の対立が深まるなか、ASEANとして一致して問題の解決に向けた対応を打ち出せるかが最大の焦点となりました。 ASEAN外交筋によりますと、ASEAN各国は、問題の平和的な解決に向けた法的拘束力を持つルール「行動規範」の策定を目指す方針を盛り込む方向で調整を進めていたということです。ところが、中国が南シナ海にかかわる一切の文言の削除を強く求め、これに対してアメリカなどが激しく反発した結果、文言の調整がつかず、初めて共同宣言を採択できない異例の事態となりました。