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ベトナム・ハノイでの米朝首脳会談が決裂したというニュースが日本に大きく伝えられると、それを静かに祝う音が首相官邸や外務省に響いた。その夜、目に見えて緊張がほぐれた様子のある外務省高官は簡潔だが含みのある意見を繰り返した。もうすでに広く波及した、「間違った合意をするのであれば何も合意しないほうがましだ」という意見だ。 米朝首脳による交渉決裂によって、日本は最悪の悪夢を回避することができた。その悪夢とは、アメリカが北朝鮮の非核化についてはほとんど進展しないような合意、そしてさらに最悪なこととして、長距離ミサイル計画に終止符を打たせる代わりに日本襲撃が可能な短距離弾道ミサイルは手付かずで残す、といった合意を北朝鮮と交わすことだ。 トランプ大統領が交渉の中で拉致問題を提起したという、まだ確証のない主張をコメントに付け加えた安倍晋三首相は、歓喜を抑えきれないようだった。 日本にとってはマイナス面も
2016年夏に韓国に亡命した北朝鮮の太永浩(テヨンホ)元駐英公使が1日、朝日新聞のインタビューに応じた。同日に発表された金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の新年のあいさつを分析したうえで、米朝協議を核軍縮交渉に持ち込んで米国に核保有国の地位を認めさせようとしていることや、制裁緩和を狙う意図が明らかになったと語った。 金正恩氏は1日のあいさつで「(米朝)両国間の新たな関係を樹立し、朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制を構築して完全な非核化へと進む」と述べた。太氏は、昨年6月の米朝首脳共同声明を根拠にしていると指摘し、「制裁解除と朝鮮戦争の平和協定が、非核化の前提だという意味だ」と説明した。 そのうえで、金正恩氏が2度目の米朝首脳会談で、共同声明の確認を求めるだろうとの考えを示した。また「トランプ米大統領も1回目の米朝会談がまずかったと理解しているようだ」との見方で、米国は再会談で非核化を迫
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