(英エコノミスト誌 2015年5月9日号) 政権の座に就いてから100日、ギリシャの新政府は悲惨な失敗を重ねるばかりだ。危機は間近に迫っている。 ここ数カ月、アテネにあるB&Mテオカラキス財団の展示室には、かつて自由を求めるギリシャに欧州が示した支援を思い出させる作品の数々が飾られている。「親ギリシャ主義(フィルヘレニズム)」と題されたこの展覧会は、ギリシャが独立をかけてオスマン帝国と戦った際に、英国の詩人バイロンに代表されるロマン派の人々が示した物心両面の支援を物語っている。 この展示の現代に通じる意義は明らかだ。展示作品を夫のミハリスさんと共に所有しているディミトラ・バルカラキスさんが、子供たちを案内して回る中で1枚のドイツ絵画を指さすと、ある女の子が立ち止まってこう言った。 「私たちはドイツとケンカしているんじゃないの?」「そんなことはないわ。私たちはみんな友達よ」と、ディミトラさん